このアルバムでは過去に共演したメンバーも参加しているが、現在進行形のツアーメンバーもまた参加している。
ドラムは主にパコセリーが叩き、曲調に合わせてベストなベースとパーカッションを選択するという非常に贅沢な作りとなっている。
ボナでも他の誰でも自由に選択できる立場にあるのに、控えめなベースが要求されるときには手堅くビクターベイリーを起用したり、シェーカーだけアレックスアク－ニャに振らせたり。

90年以降、レコーディング機材の進歩により、ドライなシンセサウンドと生々しいアコースティックサウンドがうまく解け込むようになった。
Mr.ゴーンとか、こういうサウンドに仕上げたかったんじゃないかな。今のラインナップで過去の曲を聴いてみたい気もする。

ウエザーアップデイト時期のライブを見たが、このじいさんはファッションにむとんちゃくな人物。中身はウエザーリポート時代の感じ。
あまり新鮮味はないような印象。いままでのスタイルをやや集約しておさらいしたような印象あり。ボコーダーを使用したりするのもおもしろいのではあるが。
ライブで気付いたのではあるがこのじいさんはかなり指癖が激しい。

当たり外れが激しい天才気質な人物なので。１０点中３点
他人には真似できないサウンドなのはすごいけど。

世界各地に散らばる様々な音楽の要素が、強いビートと共にザビヌルの音楽性の上で不思議に融合している。単純かつ複雑。期待通りのサウンドと予想を裏切る展開。実験性の強い音楽の間に極めて美しいメロディーを持った歌があったり。そんな一曲一曲を辿るのはとても楽しい。

いうまでもなくザビヌルの音楽はウェザー・リポートの時代からすでにジャンルの枠を遙かに越えていた。そのサウンドの現在形であるこのアルバムでは、枠を飛び超えてゆくその気持ちよさをじっくりと堪能できるだろう。強いてカテゴリーに分けるとすれば、これはもう「地球の音楽」と言うジャンルを作って入れるしかない。もし宇宙人が地球に来たら、私は、最初にぜひこのCDを聴かせたい。