ここんとこの、美人ジャズボーカルブームのブラジル版って感じで、これまでのＭＰＢ歌手なんかに比べて大変、上品です。マリーザ･モンチなんかでも、どこかしらブラジル特有の土臭さというのを感じたものですが、このマルシア･ロペスからは感じなかったです。その点に関しては、特に評価の基準となるわけではないのですが、とりあえずブラジル臭さを欲しいリスナーにとっては避けて通ったほうが無難でしょう。逆に、ジェーン・モンハイトなどをイメージする一連の流れを求める人には、相性バッチリだと思います。「ムーン･リヴァー」とかレノン＆マッカートニーの「シーズ･リヴィング･ホーム」など選曲もそのニーズに対して心得ている感じです。
質は高く気品に溢れているが、やはり予定調和な部分はあり、個人的には、もう少しパンチが欲しかったです。

本当に上手な人です。
なのに、嫌味や嘘臭さを感じ無い。

夕方から夜に向けて暖かい光色の電球の下で読書や食事をゆっくり楽しむ時に傍らに有って欲しい唄声と思います。

ブラジル人アーティストのＣＤ（ジャンルテンポでありながら、決して派手でなく、アコースティックな、上品でシックな音楽が満載です。毎朝の目覚めの音楽として。はたまた、掃除機をかけながら、食器を洗いながら、ソファーに座ってコーヒーを飲みながら、どんなシチュエーションにも合うとっても素敵なＣＤです。世界にはまだこんな人がいたのか！と感動してしまいますよ。是非１枚、コレクションに加えてみてください。