刑事×鍵師
鋭く荒っぽい攻撃的な言動ながら、優しく懐深い性格の攻・岩谷
真っ直ぐで優しくて脆い。己の弱さから逃げるように強がって生きているツンデレ受・泉

天才鍵師の祖父の元で育った泉は、その技術を受け継ぐも、
祖父の死後、現実の辛さ、心の弱さから逃げるように犯罪に手を染め、刑務所暮らしを送る。
出所後は、鍵開けの高揚感に脆く崩れる自分を恐れるあまり、
鍵師は廃業し、タトゥーアーティストとして生活していた。
そんな泉の元へ、不遜で野蛮な刑事・岩谷が現れる。
かつて祖父が開けたという、強固で難しい金庫の鍵を開けて欲しいらしいが、
詳しいことは聞かされず、ただ泉を連れて来いと言われ"お使い"に出された岩谷は不機嫌極まりなく、
なんとも太々しく、態度も言葉も悪いアウトローな刑事で・・・

岩谷のキャラが濃い。
狙いを定め襲いかかる猛禽類を思わせる鋭さの中に優しさと深みがあって、
まさに中原ワールドのキャラといった感じ。
警察署内に内通者がいるらしく、金庫のある場所にすんなり辿り着けず
追いかけられたり、襲われたり、スリル満載の中、
常に泉を守る盾になり続ける岩谷のボディーガードぶりはカッコいい。
再び鍵に触れる恐怖に竦み怯えつつも、それを表に出さず勝ち気に振舞う泉も、
1枚も2枚も上手の岩谷に見透かされ、守られ、ほだされ、やがて岩谷にハマっていく。
荒っぽい岩谷はHも荒っぽい。でも優しい。
ガチガチのヘテロだったはずの岩谷が、泉の心と体に溺れ、落ちる時も潔い。
"オヤジ好き"と豪語する中原さんのお得意キャラなんだろなーと思いました。

鍵を開ける麻薬的な快感に捕われた末に逮捕され刑務所に居た過去を持つ泉。
刑務所で女になる味をしめゲイになった泉はその後鍵師を辞め、ﾀﾄｩｱｰﾃｨｽﾄとして働くことになるが
ある時、野獣の色気を纏った刑事・岩谷にテロ事件に関わる金庫を開けろと要求される。
テロを防ぐ為に必要だと迫られるが、再び鍵開けの欲求に呑まれることを恐れて協力しようとしない泉を狙う別の組織が表れ....

アラフォー野獣刑事・岩谷×天才鍵師の祖父を持つ泉　というちょっと変わったカップリング。

荒っぽく見えて実は優しくて仲間思いな岩谷はヘテロなのですが、狙われた泉のボディーガードを努めるうちに段々と気持ちが惹かれていく感じが微笑ましかったです！
個人的な趣味もありますがなかなかキャラ萌え出来ます（笑）
読後感◎