マシアス・ギリの失脚 (impala e-books)
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南洋の架空の国を舞台にした政治と魔法と冒険の物語。
舞台は、毎朝、毎夕、無数の鳥たちが飛びまわり、鳴きさわぐ南洋の島国、ナビダード民主共和国。鳥たちは遠い先祖の霊、と島の人々は言う。日本占領軍の使い走りだった少年が日本とのパイプを背景に大統領に上り詰め、すべてを掌中に収めたかに見えた。だが、日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と消え、事態は思わぬ方向に転がっていく。善良な島民たちの間で飛びかう噂、おしゃべりな亡霊、妖しい高級娼館、巫女の霊力。それらを超える大きな何かが大統領を飲み込む。豊かな物語空間を紡ぎだす傑作長編。谷崎賞受賞作品。
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp