人生は野菜スープ
価格: ¥0
友人でも恋人でもない、相棒という得難い関係性の、
風のような成り行き。
ボーイ・ミーツ・ガール。はじまりは映画館。
女はロビーの長椅子に座り、男は眠りこけていたのが目覚めたばかり。
スクリーンを凝視していない2人は
映画館は映画を観るところ、という思い込みから自由だ。
友人や恋人のように重力の中で生きない、
ただ風の中で生きる、相棒として。新宿で。富浦で。
大切なのは、自分たちが何者で、これからどうするかではなく
例えば変形して痛みの伴う足を、ビー玉を使ってラクにしてやれる技術だ。
10ccに「Life is a Minestrone」という曲があります。
気になる方は検索するなどしてみてください。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。