迫力溢れる言葉で綴られた自伝
★★★★☆
タイトルだけだとマルハンの企業紹介本に思えてしまうのが残念。
本書はマルハン会長の自伝です。タイトルの持つ印象で、この本は少し損をしているような気がします。
マルハン会長の韓 昌祐氏が漂流難民として日本にたどり着いてから、今日に至るまでの道程を心情含め包み隠さず記しています。
業界的にも人種的にも偏見や差別に晒された氏の半生は、非常にドラマティックに綴られていますが、だからと言って変に美化されたり正当化されていない、「地のままの生々しさ」がこの本の良いところではないでしょうか。
在日韓国人としての視点が多い本書、賛否は大きく分かれると思いますが、俯瞰的に見ればガムシャラに生きる一人の人間の人生として、「本当にこんなことが」と思えるほどの苦労の荒波に揉まれた物語があります。
この本は、パチンコという業界そのものの評価は別として、そこに情熱を注いでいる人がいるという、確かな証言でもあります。
イメージが変わった
★★★★★
内容はマルハン会長の韓昌祐氏の自伝です。
16歳で韓国から日本へ渡り、度重なる苦労を重ねてきた半生が綴られています。
パチンコで成功するまでに日本で幾多もの挫折を味わい、自殺まで考えた波乱万丈な人生はドラマチックであり、大変感動しました。
またマンションを借りる際に「マルハンに勤務している」とだけで不動産業者に断られる現実がまだあるらしく、根強くパチンコ業への偏見が残っていることに対しては深く考えさせられました。
貴重な業界人の証言
★★★★★
16歳で朝鮮からやってきた在日1世の自伝。
今年読んだ自伝の中でベスト。
パチンコというネガティブと見られる業界を今日まで育ててきた。その過程の努力は目を見張る。
おそらく本書を批判する人も多いと思うし、批判される理由も判るが、それを押しのけても類書が希な分野の本である。注目すべきだ。
本書の白眉は民団の批判で、その内容は正鵠を得てる。
日本人が同じ事を言えば強烈な反論を受けるのを 著者自らが指摘する。組織の表裏を知り尽くす著者でしか書けない点であり、本当に改革実行すれば素晴らしい組織になるだろう。
惜しむらくは、インタビュー者の実力不足で、もっと情報を引き出せてない点。もったいない。
著者はインタビュー者の人選を誤った。