ミニマリストへの入門
★★★★☆
生成文法の最新バージョンであるミニマリスト・プログラムへの導入として書かれた本。月刊言語での連載をもとにしている。
ミニマリストについて書かれたものとしては確かに比較的易しく導入的ではあるが、やはり難解で、ある程度以上の統語論・生成文法の知識やそれら流の考え方の訓練が必要であり、完全な入門書ではない。
第二部はケーススタディで、著者渡辺氏お得意の古代日本語のWH移動や「が/の」交替などの具体的な事例が取り上げられ、それらの具体的な事実が初めてミニマリストプログラムによって初めてその本質に迫ることが可能になったと主張する。