あなたにとって和田アキラさんとは？
PRISMをはじめとするインスト・ミュージック界で活躍する孤高のギタリスト？　ピックも溶けんばかりの早弾きギタリスト？　意外や思いっきりタメの効いた泣きのチョーキングで我々を泣かせてくれるギタリスト？
それぞれが皆さんにとってのアキラさんだと思います。
ところでBalladsというアルバムのシリーズで聴くことのできるアキラさんはそれらとはまた違うアキラさんです。今まで３枚がリリースされていて、それぞれのテーマは
　1作目、ColtraneのBalladsというアルバムをまったく違ったアプローチで解釈＆プレイ。
　2作目、デビュー25周年を記念して制作されたバラードのカバー集
　3作目、バラードに限らない洋楽カバー集
そして、このBallads Bestは文字通りそれら3枚からの選りすぐりですが、さらに新録が３曲も収録されています。
その新録のうちの一曲がオープニングの"Love Me" ! いきなり一曲目ですが、これのクリーンなコードカッティングにはドキっとさせられます。ヘッドフォンやお部屋のオーディオのボリュームを上げて聴いて欲しいのですが、アキラさんがアナタのお部屋にギターをぶら下げてふらっとあらわれ、おもむろに愛用のSaijoギターでカッティングを始めちゃったような、すごくパーソナルな雰囲気なんです。そこに乗っかってくるのがおなじくクリーントーンのメロディ。そう、アキラさんがお部屋に二人で来ちゃったみたいです。

日本のフュージョン、ギターミュージック界の至宝とも言うべきアキラさんをパーソナルな雰囲気で楽しめるアルバム、そう考えるとなんとも贅沢な企画じゃないか、そんなふうに思います。

まずはご一聴！

「Ｂａｌｌａｄｓ　Ｂｅｓｔ」買って良かったです。私は「Ｂａｌｌａｄｓ１〜３」全て持っていますが、ニューレコーディングの３曲の素晴らしさに大満足です。加えて、表＆裏ジャケットと和田さんの各曲へのコメントも良いと思いました。和田さんの「Ｂａｌｌａｄｓ」シリーズをお持ちでない方は、このベストアルバムから聴いてみるのも良いかと思います！！
尚、このベストアルバムには残念ながら未収録となった曲でもすばらしい曲が１〜３それぞれに収録されてありますので、そちらもおすすめです。
それでは少しだけ新曲のレビューです。１曲目からニューレコーディングの「Ｌｏｖｅ　Ｍｅ」。驚きのアレンジです。本当にこの曲はどんなアレンジでも、すばらしい曲ですね。
同じくニューレコーディングの７曲目の「Ｌｏｖｉｎ’　Ｙｏｕ」では、クリーントーンでの情感あふれる、せつない歌い上げ．．．。
和田さんの歌い方、表現力等はとても素晴らしいと思います！本当にＮｏ．１ギタリストですね！！

ジョン・コルトレーンのアルバムを丸ごとカヴァーした「バラード」を皮切りに「バラード2」、「バラード3」と続いた三部作の集大成が発売されました。

夜、お酒でも飲みながら一日の疲れを癒すのにピッタリな珠玉のバラード曲が満載されています。個人的にはこの分野はノラ・ジョーンズがお気に入りだったのですが、それにも増して和田アキラのギターは、聴く者の耳に表現力豊かに迫ってきます。

聴きどころは今回新録されたPRISM初期の名曲「ラヴ・ミー」、ミニー・リパートンの名曲「ラヴィン・ユー」やポール・マッカートニーの「マイ・ラヴ」など。

このアルバムではソロ演奏が中心なので、バンド演奏で聞き取りにくい和田アキラの繊細なギターの音が伝わってきます。

低く腰のある低音から、伸びやかな高音まで、粘りと艶のあるディストーションサウンドや明るく繊細かつブリリアントなクリーンサウンドまで、ゆっくりと堪能することができます。

ギター好きにはもちろん、名曲の数々をまた違った趣で聴きたい方にもお勧めです。秋の夜長を共に過ごすことのできる一枚に違いありません。