「たけくらべ」「にごりえ」などの名作を遺して僅か24年の生涯を閉じた明治の作家 樋口一葉。長年彼女に魅かれ続け、その作品を読めば読むほど「他人とは思えなくなった」森 まゆみが、一葉の日記や彼女と交流のあった人々の回想から一葉の姿を鮮やかに浮かび上がらせている。
明治の風俗や事件の説明を一葉の日記の中に織り込みながら、彼女の息遣いが聞こえてくるような作品である。