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フリードリヒへの旅 (角川叢書)

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川学芸出版
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フリードリヒを追った旅行記 ★★★★☆
者がC.D.フリードリヒの足跡を求めてヨーロッパを旅行した、その旅行記。

とかくフリードリヒというと美術史学の研究書になるか、ロマン主義を扱った芸術論になるか、そうでなければ政治的色彩の強い何かになるかなので、こういった旅行記が出るということ自体、日本におけるフリードリヒ研究の広がりを感じる。別のもっと有名な画家でもこういった旅行記はあり、最近(と言っても2・3年前だったと思うが)だと『フェルメール全点踏破の旅』なんて新書があって、けっこうおもしろかった。しかし、ことフリードリヒの場合、ドレスデンとコペンハーゲンという都会もある一方で、彼の縁の土地は西ポンメルンのド田舎に集中しているため、旅行記を出すにもけっこう大変だったんじゃないだろうか。

中身は普通の旅行記ではある。ただし、けっこうしっかりフリードリヒの来歴を説明してあって、通が行きそうな場所を抑えて訪れているので、おもしろく読める。むしろ現地のグライフスヴァルトのドイツ人が、けっこうしっかり「フリードリヒの生地」という観光地をやっていて、意外と無関心じゃないんだと思わせられた。フリードリヒの研究史を振り返るに、いつの間にか地元のスター扱いにになっているのはなんとも苦笑してしまう。生家以外にも、当時使われていた蝋燭(フリードリヒの父親が蝋燭製造業だったので)なんかが売り物になっていたりして、興味深い。

自分もミーハーなので、こういう紹介をされると「俺も蝋燭買いに行きてぇ」となってしまう。しかし、おそらく自分よりはよほどドイツ語が堪能であるだろう著者でも、リューゲン島なんかのド田舎に行くとけっこう苦労していたようで、そう言われるとそれはそれでひるんでしまう。まずは先立つ物を貯めないとな、とか妙なことを考えた読後であった。
Bosch巡礼からの共感 ★★★★★
 フリードリヒの作品も好きで、Essenでの大展覧会にも出掛けているが、私の本業はBosch巡礼。著者が作品の舞台になった土地や、作品が展示されている街を訪ねる姿に大いに共感する。地理不案内も言葉の問題もあるなかで、画家やその作品の魅力の方が上回り、心細さに耐えて旅を続ける姿が真摯に描かれている。たまたま同じ作品に惹かれて動き出したところは、全くの偶然。