すごい迫力だ!
★★★★☆
健康診断からの所見をもとに、医師から数値改善のための薬を投与され、その結果として身体に著しい障害が現われ一生をその治療の為に費やすことになる。若き実業家が、医師、薬品メーカーそして国を相手に起した薬害裁判である。言葉遣いはやや乱暴ではあるが取り組んでいる姿勢が真剣であり、その内容も正論に間違いない。裁判も思うようには進展していないようであるが、正しさが認められないという法の不備、未熟さもさることながら、何といってもこれらの問題の根源は、人間の本質であるところの「自己中心性」がひき起こしているということであろう。法の欠陥と自己中が裁判を長引かせ、それによって原告側の資金の欠乏をよんで上訴をあきらめさせるという図式になっている。正義のためにも、薬害で苦しんでいる人のためにも是非とも闘いぬいてもらいたい裁判である。勝訴および健康の快復を切に念じるものである。
真実ほど強いものはない
★★★★★
筆者は、仕事も家庭も充実した幸せな生活を送っていた。
高脂血症剤を医師の処方により飲むまでは・・・。
薬による副作用でそれまでの幸せな生活が一転、地獄の苦しみの中に突き落とされた。
仕事を失い夢を断たれた絶望の淵から、筆者は病院・製薬会社・国を相手取った3つの薬害訴訟を起こす。
闘病を含めた10年間の長い長い命がけの闘いの末、ついに今年5月、国訴訟で全面勝利を勝ち取る。日本の司法も捨てたものではないと思わせる瞬間である。
この本は、類まれな強い意志と勇気と人間力を持ち正義を貫く男の奇跡の訴訟ドキュメンタリーである。真実が一番強いものであることを教えてくれ、家族への深い愛情には泣かされる。薬害に苦しんでいる人をはじめ、多くの人に読んでほしい。