ノンフィクションです。
明治29年、横浜の外国人居留地で起きた殺人事件について書かれています。殺されたのは、横浜ユナイテッド・クラブの支配人ウォルター・カリュー。犯人として逮捕されたのは、妻のイーデス。
当時、日本とイギリスの間には“不平等条約”が存在し、外国人同士および被告が外国人の事件は、その国の領事裁判で裁かれることになっていた。この裁判はすべてイギリス人によって行われ、陪審員が評決し、裁判官が判決を言い渡して終了した。
著者は、当時の英字新聞に掲載されていた裁判記録を読み解き、その事件経過、裁判を再現してゆきます。ただ、その結果に不満足なものを感じた著者は、被告のその後について、イギリスに渡って調査し、意外な事実を掘り起こします。
100年以上も前の事件ですが、不思議と強い印象が残ります。