インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

妻の肖像 (文春文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
これも良かった ★★★★★
遅ればせながら「紳士と淑女」で初めて著者を知り、遡って他の著作を読んでいますが
これも良かった!どれほどいいかというとゆっくり読むのに苦労するほど良いです。
さわやかな美文で語られた、夫婦の絆の暖かさ ★★★★★
ジャーナリスト、徳岡孝夫氏の波乱万丈な社会活動とは裏腹に、妻、和子さんとのささやかな関係を、いとおしく、大切に、書かれた名文。

人生の大きな局面の描写でも、決しておごったり、いたずらに感情的になることは無く、どちらといえば庶民的な夫婦の対応を、背伸びをせずに爽やかに記述している。

読み終えて、夫婦の絆の大切さが身に滲み、心が温まった。

徳岡孝夫氏の人柄がにじみ出ている良著だと感じた。
心温まる一冊 ★★★★★
著者が自らの妻を看取り、
その出会いから別れまでを
淡々とつづった本書。

決して劇的なドラマがかかれたわけではなく、
ささやかな言葉のやりとりや、日常の出来事が
書かれているだけなのだが、心震わせるような読後感があった。

一見、地味な本だが
人間の愛情というものがこれほども暖かいものだと
感じさせる好著。
肖像の前の静謐な慟哭 ★★★★★
45年余共に歩んだ妻の死という感傷に流れがちな主題を扱いながら、むしろ客観報道のように、残された自分の心情と二人の思い出を見つめる名文であるー何よりも、これが本書の特徴であろう。
「おばあちゃん育ち、甘えん坊」の「私」を、終生、恋女房の響きをもって「あなた」と呼んだ妻「和子」は、「私」が思い切って買った1カラットのダイヤの指輪を金庫に仕舞い、首相官邸園遊会への招待に「あほらしい。あなた独りで行ってきなさいよ」と徹底した出無精で、生まれて初めての東京の、地下鉄の浅草駅で「大阪駅行きますか?」と聞いて駅員を驚倒させ、また、温泉宿でのご祝儀の世間相場がわからず後で妹をあきれさせる法外な額を包み、そして、右腎臓ガンを得て70歳で先立っていった。
「私」はそれらの細々とした思い出を一つ一つなぞるように、克明に再現し、妻の死を悼む。《私は健康なときは景気がいいが、少しでも熱が出たり何か失敗すると、途端に弱虫になる。すぐ、和子ーォと悲鳴を上げる。妻を喪ったいま、私は死ぬ前には誰を、どう呼んだらいいのかと途方に暮れる。》その深い悲しみが、表題ともなっている最終章「妻の肖像」を描いた画家との奇跡的な遭遇に導いているようだ。