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ブラームス:交響曲第4番

価格: ¥1,000
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサル ミュージック クラシック
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第4楽章のフルート ★★★★☆
第4楽章にフルートのソロがあります。指揮者によってここの吹かせ方はいろいろです。月明かりの夜、厳島神社の能舞台で、フルートを笛に持ち替えて平敦盛が吹く嫋嫋とした調べが波間に漂い、ふと見ると背後の森のそこここで平家の精霊がじっと聞き入る、そんな情景を思い浮かべます。ブラームス最後の交響曲に「枯淡」や「寂寥」を求めるとしたら、ジュリーニはそれに近いのですが、みずみずしい叙情も、ときにはきっぱりと寂寥を振り切る打楽器の開放感も同時に聴くことができます。
いろいろな演奏を聴いていくうちに、第4番は寂寥感を求めるだけではなく、構築のしっかりした、コントラストの明瞭な演奏も魅力的に思えてきます。たとえばケルテスのように。また、夜更けに聴くのか休日の午前に聴くかで、好みも変わります。
いろいろ聴きくらべて一枚を選ぶのもいいですが、放置していたものが耳になじむ日もあり、つまり名曲ということに尽きます。
当時の楽員が演奏中、感動の余り涙で楽譜が見えんようになったらしいですがな ★★★★★
ジュリーニ先生最後のブラームス全集より。いつものジュリーニ先生らしく、しなるような構築、抑制したテンポからにじみ出るスケール感、沁み入るカンタービレ、と非の打ちどころがあらへん。4番はシカゴ盤以来でしたから、ホンマ、ええタイミングで録音してくださった。

4番、悲劇的序曲のカンタービレを聴いとると、痩せて凛としてジュリーニ先生の指揮姿が目に浮かぶようで、当時の楽員が演奏中、感動の余り涙で楽譜が見えんようになった、という話が凡人のわてにもよう分かる
音楽の持つ美と音楽に対する愛情の結晶です。 ★★★★★
これは偉大な演奏だ!
悠々として巨大。滔々と進む演奏は本当に素晴らしい。

ウィーンフィルの演奏は、ジュリーニとの呼吸も抜群で文句のつけ様もなく、美しさの極みに到達している。ジュリーニ特有の、このスローなテンポに何の迷いもなく身を任せ、堂々とした完成度の高い演奏を聴かせてくれる。

良くこの第4交響曲には晦渋・枯淡などの言葉で、ブラームス晩年の哀愁について述べられている。
枯淡の味わいがあるかは分からないが、この盤においては美しくロマンティックなブラームスが堪能出来る事は間違いない!
不朽。 ★★★★★
すばらしいの一言です。
ブラームスの4番はいろいろ持ってますが、この演奏がダントツで好きです。
スローテンポにかかわらず弛緩せず、またウィーンフィルの弦が美しい・・・
ジュリーニの精神が細部にまで行き渡り、流石としかいいようがありません。

この演奏を通して一番強く感じるのが「流れ」です。
柔らかくて、突発的でなく、本当に流れるようです。
またこの演奏がこの価格で手に入るというのがアンビリーバブル。
今お持ちのブラームスに満足している方もそうでない方も、是非購入されたい。
ジュリーニの出世作@ウイーン・フィルの名演! ★★★★★
 ジュリーニのデビューは1944年6月、第二次大戦後のローマ解放の記念コンサートでした。母校の聖チェチーリア音楽院管弦楽団を指揮して演奏したのがブラームスの4番。この成功により地元の放送交響楽団の音楽監督へと順調に階段を上っていくわけですから、4番は彼にとっては忘れ得ない「出世作」と言えます。ウイーン・フィルは興が乗れば、ブラームスでレベル以下の演奏の筈はあり得ません。彼らにとって、ブラームスはベートーヴェンとともに確固たる「ウイーン・フィルブランド」だからです。その両者の組み合わせなのですから期待が持てるのは当然でしょう。
 しかし、この演奏はそうした予測を超えて「金字塔」を建てる名演となりました。オケが全ての音を細大漏らさず聴き、集中して一つに合わせていく丹念な積み上げ、遅いテンポのなかにこれ以上、しなやかで豊かな表情つけは難しいくらいの感情移入。ジュリーニの解釈に、鷹揚としつつも、求心力を決して失わない優れた構成力があるからでしょう。「よし、それを完全に実現してやろう!」とウイーン・フィルも一肌脱いでいます。4番の歴史に残る名盤だと思います。