うつ病治療に頻用されるSSRIに関する記述が
特に充実していて、セロトニンや、うつ病を含む
気分障害について確かな知識を得たい人に向いて
います。内容の充実度を考えたら価格もかなり
低めだと思いました。
今、巷ではセロトニンがブームらしく、セロトニン
の合成も代謝も良く知らない門外漢が、セロトニン
に関する執筆を行なうケースが散見されます
(有田秀穂の『セロトニン欠乏脳』など)。有田氏
の場合、尿中セロトニンを測定して脳内セロトニン
の動態をつかんだと強弁するのですから困ったもの
です。
本書、『セロトニンと神経細胞・脳・薬物』は、
一般読者であっても、確実な情報を得たい人が、
利用可能な良書だと思います。