そして、この本は決して演習だけではない。初心者にわかりやすい解説があり、演習があり、解説があり、といったように、「わかる」という部分に重点を置いている。他のあらゆる「確率・統計」の教科書は高校数学をマスターしていることを前提に説明がなされているが、誰でも抜け落ちた部分は持っているものだ。現に私は高校の数学Ⅲ・数学Cはほとんどノータッチだった。その他にも多々抜け落ちた部分もある。そんな私でも読んで理解できる解説なのだ。
またこの本では、「確率」という道具をどのような場面で使うのかという点まで説明している。勉強を進めるうちに陥りやすい「これが何の役に立つのだろうか」と疑問を持つ状況がこの本にはない。
これらの理由から、「確率・統計」の概念を学びたい入門者に是非お薦めする。