「勝ち組」になるためではない、人間らしく生きるために
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学習療法で脳はよみがえる。100歳歳で100個の英単語を覚えた例もある。認知症の障害のカギは前頭前野にある。難しい教材はよくない。あの地獄に陥らないために、学習療法を続けたい。子どもたちにも学習療法の成果を生かす。
さて、「脳鍛錬」をして認知症予防の取り組む具体例を考えていく。
「脳ウェルネスプロジェクト」と呼ばれる「脳の健康教室」である。認知症の人が読み・書き・計算をすることで、認知症の症状が改善することが分かってきた。今度は健康な高齢者が同じようにこのトレーニングを繰り返しやってみたところ、その脳機能は向上する結果が得られた。これ以外にも例えば料理で脳を活性化させることができる。
記憶力アップのコツも書かれている。ある記憶を思い出すのに、長いチェーンを作ると、芋づる式に思い出すことができる。このチェーンは、目で見るだけでなく、手で書くといった運動の記憶を混ぜたりすることでも大きく広がっていく。これを専門用語で「モダリティを使う」と言うのだそうだ。
困ったことに「デジャビュ=既視感」と言って体験したことがないのに、あるような偽りの記憶があるらしい。
脳が集中できるのは一つだけ。心理学では「サーチライト仮説」と呼ぶ。集中しやすい環境で雑念を捨て、記憶力を高めたい気にさせられる。