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日本文化の歴史 (岩波新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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「いま、日本の文化が問われている。一つには、私たち日本人の自己認識(アイデンティティの確立)のためであり、もう一つは、国際化の潮流のなかで、日本とは何かを、世界に向けて発信するためである。いずれの目的のためにも、はたして私たちは、日本あるいは日本文化についての、明確な認識をもっているといえるのであろうか」
著者はまずこう問いかけ、古代から近代にいたる日本人の思想、日本文化の形成過程を描き出していく。目からウロコの落ちる本である。たとえば、日本人は「お上(権威)」に弱い、あるいは「個」がない、という常識がある。明治以降、日本が異例なスピ-ドで西洋文化の導入に成功したのは「儒教文化圏」だったからだという説もある。しかし、日本人が権威に弱くなったのは、西洋文化の導入によって天皇の君主としての性格を西欧的皇帝に近いものにした明治以降のことで、本来の日本は「権威否定」の思想を伝統的に持っていた。近代化に成功したのも、鎌倉時代以降に形成された「武家」が、儒教の「礼法」的支配階級ではなく、現実政治の実務家と技術者をそろえたテクノクラ-ト集団だったからだと言う。
日本人自身が抱いている日本人像が、いかにいい加減な知識で作り出されたものであるかが、よくわかる。このようなステレオタイプの自己認識が生まれた原因について、著者は「戦後改革の中で、過去の伝統を『封建的』とみなし、これを廃棄しようとする風潮が生まれて」、歴史と現代の断絶が大きくなったため、と見ている。(伊藤延司)
「日本人論」を大胆に書き換える画期的な書物 ★★★★★
 今でもそうなのですが、「日本人はお上に弱い」とか「日本では個人が育たない」と日本をけなす「日本人論」がある一方で、「日本には独自の文化がある」とか「和魂洋才だから近代化が実現できたのだ」といって盲目的に日本を礼賛する「日本人論」が繰り広げられています。

 しかしこの本の著者は、歴史資料を駆使して上記の「日本人論」はまったく根拠薄弱で歪めれられたものでしかなく、その元となったものは高々明治時代以降の近代天皇制国家成立後の話でしかないことを証明しているのです。

 そして、文化史的視点を元に「壬申の乱」や「太平記」、「桜田門外の変」などの歴史的事象を分析し、日本人は決して昔から「お上」に弱い存在ではなく、権威に対して反抗的なところが多かったことや、独裁政治に対するアレルギーが強かったことを挙げています。
 
 さらに中国や韓国とは異なり、純粋な宗族制度が形成されずに雑多なものとして残ったことや、儒教が生活領域にまで浸透していなかったことにより「公」概念のずれが生じたことや、さらにはそのような共同体の中での関係から個人が構築されていったことをのべ、個人形成に関して歴史的背景の異なる西洋と優劣比較することの愚かしさを述べています。

 その上で徳川幕藩体制のあり方が日本の社会構造をよく反映したものであり、その中で武士が単なる職業軍人ではなく技術者としての技量がより重視されていたことなどが説明されており、そのような歴史的省察を欠いたままで西洋流の個人概念を押し付けることの愚を痛烈に批判しているのです。

 他にもいろいろ面白い話がありますが、今までの「日本人論」を根底から覆すこの著作は、大変コンパクトでかつ的確な本としてお勧めできるものです。

テキストでありつつ冒険的「日本史」 ★★★★★
シンプルなタイトルに惑わされそうになりますが、内容はそうではないです。無味乾燥の対極にある本。そもそも「日本史」を新書一冊で書く、という試みそのものが破天荒。

文化史をふまえながら、政治や経済にも触れています。一般的に信じられている常識的な「日本の歴史」をかなり壊している、つまり最近の歴史学の変化を反映したテキスト=教科書。

公務員試験や大学入試で、日本史の全体像を得るのに、おそらくもっとも手近な本ではないでしょうか。実質210ページの濃縮版。ただ上記の意味で、古びている日本地域史の教科書とは多少の、あるいはかなりのズレはあります。

参考文献に品切れ本が多いのですが、これはそれぞれの出版社の問題か。この本の英語版が欲しい!

素晴らしい!! ★★★★★
もともとこの本は放送大学の教材というだけあって、
とても簡潔に日本文化の移り変わりが書かれています。
日本の文化が見直されている現代にぴったりの本だと思います、
また日本史の受験などのサブテキストとしても向いていると思います