粋ですねー
★★★★★
とっても心地いいオジサマからの言葉。
豊富な知識をさらっとだしてくれる感じがいい。
文庫だから、気軽に読める感じもいい。
古い本は高くて買えないけど
言葉のない世界を、自分の近くにおけてよかった。
酔いどれ詩人のラストメッセージ
★★★☆☆
いま、戦後日本を代表する詩人は誰かと訊かれたら、谷川俊太郎を挙げる人が多いかもしれない。ひと昔くらい前までは、田村隆一の名前を筆頭に挙げるのが一般的だったという記憶があるけれども。
戦後のある時期の詩壇をまさに牽引していた《荒地》の詩人のひとり。私も学生の頃には、『四千の日と夜』『言葉のない世界』などの名詩集をくりかえし読んでいたっけ。田村の直観的な文明批評とライトヴァースの奥義には、つよく惹かれるものがあった。
最晩年の田村隆一が若者に向けて、おもに人生一般と詩をめぐって自由気ままに語ったことばを拾いあつめたのが、この薄い本。ほろ酔いかげんで喋っている。ときに脱線したり、放言に突っ走ったりしている。それでも、機智とユーモアに富んでいて憎めないところは、詩人の人柄のなせる業か。代表的な詩も何篇か収録されている。田村を知らない読者にも親切な構成。
でも、引用された詩に誤植が目立つのはいただけない。たとえば、冒頭の「帰途」には5ヶ所。代表作の「四千の日と夜」にも誤植がみとめられる。いったい、これはどうしたことなのだろう。
巻末の解説を俳優の山崎努が書いていて、これも読ませる文章だが、やはり誤植らしきものがある。いくらなんでも、あんまりではないかしら。残念です。
酔いどれ詩人の遺言は心にしみるが……
★★★☆☆
いま、戦後日本を代表する詩人は誰かと訊かれたら、谷川俊太郎を挙げる人が多いかもしれない。ひと昔くらい前までは、田村隆一の名前を筆頭に挙げるのが一般的だったという記憶があるけれども。
生前は詩壇に圧倒的な存在感があった重要な詩人。私も学生の時分には『四千の日と夜』『言葉のない世界』『新年の手紙』などの名詩集をくりかえし読んでいた。あるいは、詩人の文明批評とライトヴァースの奥義に学ぼうとしたのか。
最晩年の田村隆一が若者に向けて、おもに人生一般と詩をめぐって自由気ままに語ったことばをかいつまんでまとめたのが、この薄くて軽い本。ほろ酔いかげんで喋っているから、ときに脱線したり、放言に突っ走ったりしている。それでも、機智とユーモアに富んでいて憎めないところは、詩人の人柄のなせる業だろう。代表的な詩も何篇か収録されていて、未知の読者にも親切な構成だ。
しかし、引用された詩に誤植が目立つのはいただけない。たとえば、冒頭の「帰途」には5ヶ所。代表作の「四千の日と夜」にも誤植がみとめられる。いったい、これはどうしたことなのだろう。故人である作者にたいしてあまりにも非礼なのではないか。
巻末の解説を俳優の山崎努が書いていて、これも達者な文章だが、やはり誤植らしきものがある。いくらなんでも、あんまりではないかしら。