全国の小学校に1冊ずつ欲しい本です。
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「火山のしくみ」、「火山のめぐみ」、「噴火と災害」の3部構成になっています。
「火山のしくみ」では、どのようにして火山ができるのか、から始まって火山の種類、噴火、火山灰などを含めた火山についての知識が分かりやすく解説されています。ここだけで中学・高校で学習するレベルをはるかに上回る量の火山の知識を身に付けることができます。分かりやすい文章だけでなく、豊富なカラー写真があるため理解がはかどります。そのうえ家庭でも簡単にできる実験が紹介されています。
「火山のめぐみ」では、地下水など良く知られている知識以外に国立公園の9割が火山地帯にあることや金鉱床が火山によってできることなどが紹介されています。
「噴火と災害」では、噴火予知や火山防災などについて実際に行われている対策が書かれています。また、有珠山の噴火や富士山についても紹介されています。
内容を減らすのではなく子どもが理解できるような図や文章表現を用いることで、子ども向けの本でありながら大人向けの新書と同等の知識の伝達を実現しています。
火山学者の仕事について書かれている部分も楽しく、実際に火山に出かけてみたくなります。