ハービー良い感じです
★★★★☆
大御所ハービー・ハンコックによるプロジェクト。どのアーティストとも気持ちよくプレイしています。
流石、素晴らしいアレンジ!!
★★★★★
Herbie Hancockの「Imagine Project」は、前作同様、素晴らしい内容に仕上がっている。John lennon、Peter Gabriel、Bob Dylanなどの曲を中心にカバーした作品だ。Herbie流解釈とアレンジがとにかく素晴らしく、その音楽センスはやはり非凡であった。
ジャズ流のアレンジと言えばそれまでかも知れないが、すべての楽器の細部までに神経が行き届き、そこから発せられる音は、繊細かつ大胆とも言え、独自な旋律で構成されている。
なかでも、John Lennon「Imagine」とPeter Cabriel「Dont Give up」は素晴らしく、これまで数多くカヴァーされてきた曲ではあるが、今回のヴァージョンは間違いなくベストに近い仕上がりではないだろうか。
Herbie Hancockは決して出しゃばり過ぎず、控えめながらも素晴らしいタッチのピアノを聴かせてくれている。この作品は、Hebieでなくては創り得なかった音楽を証明した。
商品としては完璧なんですが・・・。
★★★★☆
今年70歳になるハービー・ハンコックは、代表作「カメレオン」のように、そのスタイルを大胆に変身させながら、時代を乗り切り、第一線に立ち続けてきました。マイルスとの王道ジャズから、ギラギラのファンク路線へ、ラップからワールド・ミュージックまで。常に、時代を見定めるその眼力。誰も真似できないものがあります。
そのハンコックが近年大成功を収めているのが、「世界中のミュージシャンとのコラボ路線」。2005年の「ポシビリティーズ」、2007年の「リヴァー」、2008年の「ガーシュウィン・ワールド 」など、どれも大ヒット。お金儲けの新たなビジネス・モデルを構築してしまったハンコックは、まさに、新たな音楽的ピークを迎えたと言えます。そして本作でも、ハービー・ハンコックは完璧な「商品」を作りあげています。世界中の著名ミュージシャンと、コラボしまくるハンコック。大ヒット間違いなしでしょう。
しかし、大昔からのハンコックの大ファンとしては、どうも複雑な気持ちです。筆者は、1976年の「シークレッツ」前後のハービー・ハンコックをベストと考えています。要するに「むせ返るような熱いファンク」。これこそハンコック。何度聞いても胸が高鳴ります。そういう意味で、本作でも、ティナリウェン、ケイナーン、ロス・ロボスをフィーチャーした「ここに死が/エクソダス」に、往年の「熱気」を多少感じることができ、うれしい気持ちがします。
歳とったハンコックに当時の熱気を期待するのも酷だと思いますが、あまりにも行儀の良い「商品」を生み出すことに長けてしまった老練さに、やや物足りなさを感じてしまっている今日この頃なんです。