くろくん活躍の場面では、クレヨンの特色を生かしたおもしろい色あそびがでてくる。この絵本を楽しんだあとで、子どもたちはきっとクレヨンを握って同じことをしてみたがるに違いない。そして、お話の中でのように「くろくん、さっきはごめんね。ありがとう」なんてつぶやいているかも。
『そらまめくんのベッド』の著者が、今度はクレヨンたちを主人公に、助けあうこと、認めあうことのよろこびを描く。子どもたちにとっては、クレヨンそのものがとても魅力的なもの。それが紙の上に自分の頭を走らせて絵を描く、かわいらしい「くれよんくん」となれば小さな子どもたちは夢中になるだろう。(翁 ゆり)