なんともショッキングなページからはじまる1冊だ。ママに怒鳴られたペンギンのぼくが、バラバラになってとんでいっちゃうのである。あたまはうちゅうに、おなかはうみに、つばさはジャングル…そして足だけになってしまう。しかし、途方にくれるぼくのかけらを拾い集めて縫い合わせてくれるのも、またママなのだ。
ついイライラして子どもを怒鳴ってしまった時こそ、子どもと一緒にこの絵本を手にとってほしい。お母さんの「ごめんね」に、我が子もペンギンのぼくと同じように「やっぱり、ママがいちばんさ」と腕の中に飛び込んできてくれるだろう。
そして読み終えたとき、もう一度、中の表紙を見てほしい。そこには、目をつぶってしっかりと抱き合うペンギンの親子が描かれているはずだ。ドイツ人作家ユッター・バウアーの描く線は、あくまでも優しい。対象は幼児からとなっているものの、お母さんのための1冊でもあり、まさに「母と子の心がひとつになる絵本」である。(小山由絵)
ママのための絵本かも?
★★★★☆
この絵本を読んで、ママである私が泣いてしまいました。
子どもに対して大きい声をあげるというのは、
目に見えないところで子どもの心を絵本のように
バラバラにしてしまっているのかもしれないと思って
涙がほろほろ、、、
でも、とうの子どもは「最後はママが一番なんだよ」と
笑ってくれます。ホッとしました。
バラバラになること自体、子どもにはインパクトがあったようで
いつもと違う絵本だったことのほうが記憶に残ったようでした。
ママに怒られました
★★★☆☆
うちのママは私が買ったこの本のタイトルを見ただけで、
「私がいつもそんなに怒ってるっていいたいの?(怒)そういうこと?」
とカンカンになっていました。
「いや、この本はそうじゃなくて、いつもママはプンプンだけど本当は。。」
と説明したのですが、
「だから私がいつも怒ってるってことなんでしょう!(怒)」
とさらに火に油を注ぐことに。
パパが買う場合は注意しましょう。
現実のおこりんぼママは様相が違いました。
自分のための本
★★★★★
「あなたのためよ!」と怒り、「危ないでしょ」と怒り…。
あるお店で偶然息子が持ってきて「読んで〜」とせがまれたのが出会いです。
自分が泣いてしまいました。
ごめんね。
小学校にあがり、学校でも先生に怒られ、先生に怒られた話を聞いては怒り。
最近いつも心ここにあらずになっていた息子を見て、ハタとこの本のことを思い出しました。
これからもっと大きな海に出て、心がバラバラになってしまうことがあるでしょう。
私がバラバラにしてしまうのではなく、
外でバラバラになっても、しっかりと継ぎとめる側のママにならなくっちゃ…
そう自分に語りかけるための本のような気がします。
おこりんぼ息子
★★★★★
3歳の息子が反抗期で、怒ってばかりの私。
タイトルに惹かれて購入しましたが、読んでみてもしっくりこない。
でも息子は気に入ったようで、何度も読んでとせがまれました。
あるとき、そういえば息子も私以上に怒ってばかりだよなぁ、と「おこりんぼ息子」でママが怒鳴られてバラバラになっちゃった・・・と立場を逆転して読んでみました。
そうすると、なぜ息子がこの本を気に入ったのか、すとんと理解できました。
バラバラになった体を集めるシーンがなぜないのかと思っていましたが、立場を逆転して読んでみて、必要ないと感じました。
優しい気持ちを取り戻したいときに手に取りたい一冊です。
小学校の読み聞かせで…
★★★★★
小学校の読み聞かせボランティアをしているのですが、1年生から4年生までどの学年でも、喜んできいてくれました。ママに怒られた1ページ目からバラバラになってしまう2ページ目をめくった時、笑いや驚きの子どもたちの反応がとても楽しいです。でも読んでる側の母親としては、成長して随分大きくなった自分の子どもについつい怒ってしまっている自分とかぶって、非常に心苦しく反省。まだまだやさしくしてあげなくちゃなあ…と思います。この本は私的には、私を含む子どもたちのおかあさんに読み聞かせてあげたい本です。