今回も面白いです
★★★☆☆
「あくじゃれ瓢六」の続編。牢を出て娑婆に戻った瓢六は、お袖の元に身を寄せるも、定職がある訳でもなく、頼まれるがまま、誘われるがままに、瓦版を作ったり捕物を手伝ったりするお話で構成されています。掛け軸や茶碗の真価を見抜いて唐絵目利きとしての腕を発揮したり、鼠小僧次郎吉逮捕の話が出てきたり、前作には無かった江戸の歴史や文化を感じさせる話も少し出てきます。一方でお袖が女牢に入って事件を解決したりの支離滅裂系な話もありで、読者を飽きさせません。
時代小説を読む楽しみのひとつは、背景にある江戸時代の歴史や文化を知ることにもあるので、折角の瓢六の目利き知識と能力を発揮した話がもっとあるといいのにな、と少しの不満があるので星3つにしました。それでも今回も読んで楽しい一冊です。
続編だけあってサブキャラクターたちの活躍が顕著
★★★★☆
『あくじゃれ瓢六』として第126回直木賞候補となった作品の第二巻。
主人公である悪党瓢六とそのお目付役を務める堅物の定廻り同心・
篠崎弥左衛門のコンビによる捕物帖。
普段は牢に繋がれ、犯罪捜査時のみ探偵として市中に出るという
変化球な設定が無くなり、「真っ当な」捕物帖となっている。
続編だけあってサブキャラクターたちの活躍が顕著。
メジャー感がでてきました
★★★★★
遊び人瓢六と北町奉行所同心弥左衛門の捕り物帳第二段。
サブストリーはお袖、八重を中心に描かれて相変わらず色っぽく、
あくじゃれシリーズの持ち味に。
本作から瓢六は牢から放たれ、晴れて自由の身になっている。
瓦版を売ってみたり、わけありの母子をかくまってみたり、
1作目(「あくじゃれ」)のある種荒唐無稽な設定から、
連作捕物帳ものの王道に近づいてきており、
読みやすくなった。
前作では匂っていた主人公瓢六の悪党面は影を潜め、
完全な正義のヒーローキャラに変わっている。
脇役も個性的に動き回り、人気シリーズとなる条件はそろった感がある。
欲を言えば、相棒の弥左衛門はもう少ししっかりしてほしいような・・・。
瓢六とのバランスなのだろうが、もっとタフガイでもいいと思う。