本書の肝は前半部分です。
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本書は副題に「超基礎知識」と書いてある通り、全く法律の知識のない人向けの本ですが、前半の3章が民事法・刑事法・行政法の区別という根本テーマについて、法律部外者に懇切丁寧に分からせようという内容で、本書の中核になる部分です。
実際、この三者の区別は多少法律をかじった人なら自然に身につくことですが、部外者には根本的に理解されないところです(憲法の私人間効力とか訴訟と非訟の違いとか、物権と債権に分けることとかも理解されにくいことだと思います)。よくチャレンジされたと思います。
なお、後半は、面白い法律のトピックを並べましたという感じで、こちらはよくある弁護士本と同じです。
法律への足掛かりとなる有用な書籍
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現役弁護士である著者が記した本書。素人にはなかなか理解しづらい法執行の過程であるとか、
民事と刑事の違いなどが非常に分かりやすく書かれている。
例えば、時々ニュースで見かけるが、刑事で無罪の人間が数千万円もの
損害賠償請求を求められているのを見て、不思議に思った方もいるのではないだろうか?
本書を読めばその疑問が氷解する。
簡単にいえば、刑事では、無実の人間を誤って有罪とするくらいなら、
犯行を犯した人間を無罪とする方がマシだ、との考えが根底にあるとのこと。
しかし、民事では有罪認定のハードルがもう少し低いから、損害賠償請求が確定したりすることがあるそうだ。
こうして「法律的な考え方」を学ぶだけでも、普段目にする刑事事件への理解が格段に異なってくるだろう。
裁判員制度も行われる昨今、有用な知識を学べる本書、買って損は無い良著である。
通りすがりのバイオ研究者
★★★★☆
法律に関して実例を示しながら、素人にも
分かり易く書かれている。
各エピソードも面白いが、それよりも今後
どの様に変わっていくかの方が気になった。
試験制度が変わり、これから10年も経つと弁護士
の数が倍になることが予想されている。そうなると、
弁護士が生活をするためにも、今までは訴訟になら
なかった事でも、弁護士にお世話になることが
多くなるのではないか。勿論、この事に関しては
善悪はあるが。
とにかく、我々としてはもう少し法律の事を学んで、
日常のレベルで損をしない事が重要であると感じた。
今更人には聞けない、法律の基礎が身につく本
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私は学生で、刑事ドラマには興味があるものの、民事と刑事の違いが曖昧でしたが、この一冊を通じて裁判や法律に関する基礎的な知識を身につけることができました。
かつてメディアで報道されたものが事例として取り上げられているので、法律の側面から改めて考えさせられる、法律初心者でも大変理解しやすい入門書です。
裁判員制度が施行される前に、知っておきたい基礎知識が凝縮された一冊です。