日本にもLRTがもっと広まっていくように!
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主にヨーロッパおよびアメリカのLRTに関して、豊富なカラー写真を用いて紹介していく一冊。
単なる紹介というよりは、それら路線がどのように運行されており、交通インフラの充実にどのように役立っているかに重点を置いた内容になっている。
それを読むにつれ、日本は鉄道大国というけれど、ことLRTに関しては完全に出遅れてしまっているのが痛いほどよくわかり、しばし愕然としてしまう。
使い勝手のよさ、充実した路線網、環境との融合、時に無料で乗れるなどの行政の援助など。
まさかここまで差がついてしまっていたとは・・・。
だが、本書をよく読むと希望も湧いてくる。
というのもヨーロッパでもアメリカでも、多くの都市では一度は路面電車などを廃止して車社会へと移行していたのだ。
だがその後軌道修正してLRTを導入し、現在の成功を収めているのである。
つまり、日本も同じような道を歩める、ということに他ならない。
それにしても、ヨーロッパの古い街並みにも、アメリカの近代的な街並みにも、LRTは非常によくマッチしており、写真を眺めているだけでも楽しい。
今では路面電車がほぼ失われてしまった東京や大阪にも、あるいは京都や金沢などの古い町並みにも、きっとLRTは似合うことだろう。
日本でも広島や熊本、近年の富山など成功例もあるのだから、ぜひ本書を一助としてLRT普及に弾みがついていってほしいところだ。