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海賊島事件 (講談社ノベルス)

価格: ¥945
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
期待しすぎたので・・・ ★★★☆☆
前作『紫骸城』の帯に近日発売とばかりに宣伝文がうたれてから1年余り。
『殺竜』でちらりと登場したムガンドゥ三世が主役なのでは、と心待ちにしていただけに
期待ばかりが膨らみすぎてしまったかもしれない。

確かにムガンドゥ三世は主役だったが、前2作における作者の贔屓っぷりを考えると
拍子抜けなくらいに普通のキャラクターに。もう少し裏があっても、というか
掘り下げられる人物にもできたと思うのだけど、いまひとつ、浅い。
例えば「お前には"夢"が無い」とか、「うまく負ける」とか
前フリが活かされずに、どうも中途半端な気がしてしまう。

ネタが丸分かりだったりノーヒントだったりで、読者に推理する余地が無いのは
今作も同じ。そこは期待してはいけないと思います。

ただ、ETMに関しては今回も素晴らしい。おそろしいぐらいによく喋り、語り、
人の感情をよく理解しながらも感傷に流されず、そして何者も許さない。
この信念が彼を世界から孤立させている。まるで神さまみたいに。
何も許さないということは、初めからすべてを許しているのと同じではないか。

期待しすぎたのであまり評価は出来ませんが、『禁涙境』よりは良作、かも。
ミステリーとしても面白いけど… ★★★★☆
今まで出ている事件シリーズでは一番好きな作品です。何といっても、ムガンドゥ三世!奴が出てきます!!物語の最後に持ってくる絶対的な強さって言うのは本を読み終わっても印象に残るものですね。
再登場! ★★★★★
殺竜事件で、脇役として出てきた、かのお方が、メインとして登場!しかも、前作とのリンクが細かい!一つ一つのエピソードに無駄がありません。必ず何かにつながっていると言う・・。油断も隙も無い文面です。
まさか表紙の方の紹介が目的…? ★★★★☆
狭く視れば、この作品はちょっと物足りなかったです。

相変わらず、目の離せない展開にはドキドキさせられて、
面白いことは面白かったのですが…。
「殺竜事件」や「紫骸城事件」に比べると、
事件がちょっとささやかな気がしました。

ただ!
広く視れば!!

上遠野浩平先生の作品は「どこかに繋がっている」のです。

物足りなさは最初から承知で描いているような…、
ヘタすれば今回の作品は、「大きな物語の下準備」のような
そんな気がしてならないです…。

私は今後の作品に妙に期待が高まっています。

下準備のためにこの量を書くか!?と疑いそうですが、
…なんかやりかねないのが、上遠野さんってイメージです。

あくまで私のイメージですが…。
もし繋がったら、ゾクゾクとした身震いものですね。
その感動を全身で感じ取る日が非常に楽しみです…。

独特の世界観 ★★★★★
上遠野作品は、本当に独特の世界観を持っていると思う。それは、一見様々な作品で全く別の世界を描きつつも、その根底にいつもある。この作品は、その雰囲気の最もよい所を集めたモノだと思う。あのブギーポップシリーズと違って、この作品は妙に“飾った”ところがない。だから、作者の考え方が結構ダイレクトに伝わってくる。

その考えに共感できたのなら、思わず唸らずにはいられない作品だ。
口絵の“死体”の美しさも圧巻である。