異常とも言える鋭い観察眼で見事にバラバラだった禁涙境の4大不思議をつなげてしまうEDとその仮面の秘密。EDと風の騎士ヒースとの幼少の小さな思い出。メインポイントをあげればシリーズのファンとしては魅力的に聞こえるが、言葉を変えて言えば彼らが登場するのはそこだけなのでファンとして期待をそがれた気がするのは仕方が無いのかもしれない。
ファンタジーxミステリーを求めるならこの本はすすめられないが、調停士シリーズファンには主要登場人物の過去に触れられる作品なので満足感は得られると思う。上遠野氏の詩をつづるような、独特なスタイルも健在だ。
なぜそのようなことが起きなくてはいけなかったのか?
少々不条理な気もするが、そういうものかもしれない。
そんな短編が中心の小説です。
今回は、微妙な感じだ。
一つの事件の解決と言うより、過去の3つの殺人事件のそれぞれの解決という感じであった。つまり、短編のような印象を受けた。
もちろん、3つの殺人事件を関連づけるものはあるが・・・。
話としては、『殺竜事件』に近い印象である。トリックが「みもふたもない」ものであったのである。やはり、推理小説には見えない・・・。