なぐさめてくれたはずガスパールが、夢の中でおばけおおかみを乗り回すカウボーイになっていたり、おねえちゃんが中を確認してくれた箱が、おばけおおかみの小道具になっていたり。リサの夢を通して垣間見る、幼い子どもの豊かな想像力が、まるでクレヨンか油絵の具で塗りつぶしたような濃厚な色で、大胆かつ繊細に描かれている。
こましゃくれたリサが語りかける言葉は、ひらがなとカタカナだけで書かれているから、子どもひとりでも読める。この「リサ・シリーズ」には、ほかに『リサひこうきにのる』、『リサとガスパールのクリスマス』、『リサニューヨークへいく』、『リサとガスパールのローラーブレード』、『ガスパールびょういんへいく』などがあり、どれも幼いころのいたずらや、ちょっぴり怖かった体験をほんわかと思い出させてくれる。(望月真弓)