ふたりの「ぴあの」
★★★★☆
3名のトリオで活動していた「DiVa」の音楽が、谷川俊太郎/賢作名義で、録音はほぼ10年ぶりに復活しました。
バンド名を帯の案内に残し、オリジナルボーカリスト(現トランスバランス)を含む7名の歌姫を呼んでいます。
基本的には、十数年ストックしてきたアレンジをそのままにしています。
ライブで聞いて気に入っていた「私たちの星」が公式に音源化されて、嬉しく思っています。
詩と詞はもともと違う経緯でつくられているのに、あえて詩を詞として使用する、語感とメロディの面白さは、このオムニバスでも何ら変わりはございません。
そんな中でも異色の出来が、最終曲、2度目の「ぴあの」です。
この曲だけ、原田さんの作で、ほぼDiVaアレンジと同じ3曲目と比べると、主人公がえらく大人びて、厭世的な雰囲気を醸し出しています。とても同じ詩(詞)とは思えない。
質の高い日本語で弾き語る女性ボーカルが好きで、少し毛色の変わった演奏をお探しの方には気に入って頂けると思います。歌い手の検索でこのアルバムにたどり着いた皆様、ご検討の程を。