1977年にしてイーノがロック・ミュージックからの脱構築を果たした、ポスト・ロックの始祖といえる作品。あくまでロック/ポップ音楽に根を下ろしながらも、スタジオでエフェクト加工・逆回転・ループなどの解体・再構成作業を経ることで、原形をとどめないまでのまったく新しい楽曲にしてしまう手腕はまさに“音の錬金術師”。彼の一連のアンビエント作品とは趣を異にしているものの、今聴いても古びることがない実験精神は聴く者を釘付けにする。ロバー ト・フリップ、フィル・コリンズ、フレッド・フリスらのバックアップぶりも見事。(山崎智之)
もはや「非・音楽家」ではない
★★★★★
この男、実はピアノもギターも多少は真面目に練習してるらしく微妙に演奏技術が向上している。
そしてその過程で古典的な作曲技術も自然に鍛えられてしまっている形跡がある。
わかりやすくいうと、ビートルズやエルトン・ジョンといったメロディーメイカー達が残してきたような
普通の名曲も作れる作曲家に進化している。
「音楽」と「音響」の間でファジーに揺れ動いた前作や以後の作品と比較すると本作ではかなり「音楽」そのものに重点が置かれており
良いメロディーを書く、というごく普通の作曲家の基本事項と照らし合わせても同業者の作品になんら引けを取らない。
堂々たる名曲ばかりである。
BackwaterのサビにおけるE♭-B♭-E♭-B♭-Am-F-Am-Fなどという挑発的な和音進行にも見られるように旋律や不協和音に関する
興味深い試みが満載である。変な音響一辺倒ではない。
そして!!
音が良い!!
素晴らしきミックスダウンだ。もう音響屋も最高だ。
イーノらしい変な音には違いないがジャズの優秀録音の様な豊かなダイナミックレンジと正確な定位感がもはや直感的に気持ちいい。
この音質は大きい。
あとパーシーのベース演奏も前作以上に激しくエキセントリックなものになっており聴きどころの一つとなってる。
イーノのパンク/ニュー・ウェーブなポップ・アルバム。英独の豪華メンバーが参加。
★★★★★
参加メンバーが相変わらず超豪華、凄すぎる・・・今回は70年代英独プログレ界のオールスターみたいだ。
個人的には、大ファンであるクラスターの二人と、カンのヤーキの参加がうれしい。
フィル・コリンズ(ドラム):ブランドX、ジェネシス
パーシー・ジョーンズ(ベース):ブランドX
ポール・ルドルフ(ギター):ホーク・ウィンド
フィル・マンザネラ(ギター):ロキシー・ミュージック
ヤーキ・リーベツァイト(ドラム):カン
フレッド・フリス(ギター):ヘンリー・カウ、アート・ベアーズ
メビウス(バスフェンダー・ピアノ):クラスター
レデリウス(ピアノ):クラスター
そして
ロバート・フリップ(ギター):キング・クリムゾンを唯一の元手にして稼ぐ、「プログレ商人」
中身の方は、イーノの歌アルバムといっても良い。イーノの歌がとにかく繊細でやさしい。豪華なバック陣もひたすらイーノの引きたて役に徹しています。これまでは、あまり体験できなかった、彼のヴォーカリストとしての非凡な才能が存分に堪能できます。
後に自分でプロデュースを担当するバンド(トーキング・ヘッズ、ボウイ)のネタ本風であったり、アンビエント音楽のエスキース風だったりと実に多様に楽しめる名盤。前のロキシー調未来派ポップと、後のアンビエント作品の中間に位置する作品でしょう。これはおすすめします。
イーノ流パンク・ニューウェーブの名盤。イーノの歌が実に良い。名盤。
★★★★★
ブランドXの屈強のリズムセクションをバックにした、後になってみれば、イーノのパンク、ニューウェーブ路線のアルバム。特にパーシー・ジョーンズの表情豊かなベースが心地良い。
ジャーマン・ロック、テクノ・ポップ、パンク、グラムの交差点に位置する稀有な音空間。後にプロデュースするバンドの、ネタ本はこれである。イーノとしても、みずからのポップ歌謡に見切りをつけたような作品であり、実に示唆に富む名盤だ。
1曲目などヴォーカルをデヴィッド・バーンに差し替えれば、まるでトーキング・ヘッズだ。昔、初めて聴いたときは何とも形容のしようがなかったが、今改めて聴くと、イーノの感覚の鋭さ先見性には舌を巻く。
80年代ロックの方向性を早くも位置づけた傑作だと思う。イーノ流ポップの最終作品。ちょっとイーノにしては、サーヴィスしすぎかなと思いますが。文学でも音楽でもポップというものを追求する立場の人には、何かヒントになるものをはらんでいる作品だと思います。
A→BのギャップがBefore And After Science
★★★★☆
1977年発表。イーノのソロ・ロック・ミュージシャンとしての4枚目にして最後のボーカル・アルバム。ベースにパーシー・ジョーンズ、ドラムにフィル・コリンズなども参加していて目を引く。
1曲目はベースがパーシー・ジョーンズ、ドラムがフィル・コリンズなのにトーキング・ヘッズの曲じゃないのかなと勘違いするほどである(●^o^●)。ただ5でロバート・フィリップ御大がでてくると、突っ走りにハイってイーノ・ファンクで突き進むと言う感じになってくる。これが一転、LPレコードで言うところB面、7曲目になると知的にしてコンセプチュアルなイーノに変貌して行く。これが『Before And After Science』かと言う感じである。
2人のイーノはこのアルバムで融合し、1人のイーノになる。そしてこれからは今現在の触媒としてのイーノ、オブスキュアにしてアンビエントなブライアン・イーノとなっていく。
A→BのギャップがBefore And After Science
★★★★☆
1977年発表。イーノのソロ・ロック・ミュージシャンとしての4枚目にして最後のボーカル・アルバム。ベースにパーシー・ジョーンズ、ドラムにフィル・コリンズなども参加していて目を引く。
1曲目はベースがパーシー・ジョーンズ、ドラムがフィル・コリンズなのにトーキング・ヘッズの曲じゃないのかなと勘違いするほどである(●^o^●)。ただ5でロバート・フィリップ御大がでてくると、突っ走りにハイってイーノ・ファンクで突き進むと言う感じになってくる。これが一転、LPレコードで言うところB面、7曲目になると知的にしてコンセプチュアルなイーノに変貌して行く。これが『Before And After Science』かと言う感じである。
2人のイーノはこのアルバムで融合し、1人のイーノになる。そしてこれからは今現在の触媒としてのイーノ、オブスキュアにしてアンビエントなブライアン・イーノとなっていく。