三番は名作交響曲なのでは‥!
★★★★☆
デュトワのオネゲルの交響曲全集と共に、同時期に限定盤で発売されていたルーセルの交響曲全集の再発売盤。オネゲルの全集はすぐに入手したが、ルーセルの全集は買いそびれてしまい半ば諦めていたので今回の再発売はありがたい!ルーセルはフランス系の作曲家の中では人気のない作曲家の一人だが、(ちなみにオネゲルはスイス国籍)フランス系の交響曲となればルーセルを省くわけにはいかない!交響曲は四曲作曲しているが、中でも三番、四番は名作交響曲として録音も多く古くはクリュイタンス、アンセルメ盤、新しい録音ではブーレーズ、ベンツィ、ヤノフスキ盤などがある。特に三番は若々しい躍動感と疾走感、フランスの交響曲らしい上品なユーモアが見事にまとまっており、ルーセル全作品中の最高傑作といっても大袈裟ではない。ルーセル自身も初演を聴いた後「‥私の最上の作品に思える。皆の印象もそうらしい」と語っているが、その評価は間違っていない!フランス系交響曲は旋律は美しく華やかだが、外面的な効果だけでベートーヴェンのような内面的な力強さや形式構成力に乏しい。フランクやベルリオーズは循環形式、固定楽想をもって新鮮さを出そうとしたが、後世に影響力はあるにせよ、それらがかえって曲の構成力の弱さを助長していた。ルーセルはフランス系交響曲に確固たる構成力と、その中から溢れる力強い情感を見事に表現した貴重なフランス人作曲家といえると思う。デュトワはフランス国立Oから明るく力強い響きを引き出しており、ルーセルの交響曲の魅力を余すことなく聴かせてくれる!ルーセルの全交響曲を聴けるのも貴重だ!更に流麗さを求めるなら、ヤノフスキ・フランス国立放送フィルの全集録音が素晴らしい!現在、廃盤なので是非とも再発売してもらいたい。現状ではデュトワ盤がオススメの録音です!
聴く価値あり
★★★★☆
最近はクラシックのCD価格もバラエティーに富んでいてお手頃なものが多い。輸入盤
は10枚組で3千円とか驚くようなものも多いが、国産2枚でこの価格は安いと思いなに
げに買ったのだけれどこれはあたり、価格以上のものであった。ルーセルの交響曲がすべ
て聞け、しかも演奏もよい。これはお得。ルーセルの交響曲は初めて聞いたのだけれども
独特の世界があり聴き応えある。もっと演奏されてよい作曲家なのではないだろうか。
これに気をよくして、ニールセン交響曲全集も買ったのだが、こちらは一寸苦戦中。
ヴァレーズの師として記憶されているフランスの作曲家
★★★★☆
デュトワの解釈は時に疑問に思う時もあるが、この演奏に関する限り、非情に説得的。
演奏される機会も比較的少ないルーセルだけに交響曲全集は貴重でもある。
誰にでも勧められる物ではないが、フランス音楽好きには魅力的なはず。