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ベートーヴェン : 交響曲第9番 「合唱」&ミサ・ソレムニス

価格: ¥2,520
カテゴリ: CD
ブランド: BMGインターナショナル
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トスカニーニ観を変える優秀録音、”やさしさ”の荘厳ミサは、ベストの演奏 ★★★★★
 これまで、”ミサソレムニス”は、ガーディナー、バーンスタイン新盤、クレンペラー、ジンマン、と聴いてきたが、今回、トスカニーニを聴いてビックリ!何という、優しさだろう。75分弱の演奏時間が示すとおり、ゆっくりな部分はクレンペラーより遅い位。ブラインドテストでは、誰が指揮者か、わかるまい。オーケストラは、ヨーロッパ(ベルリンフィル?)のような落ち着いた音色、しかもいつものNBC響のようなミスもない。リマスタリングは、ライナーノーツ(遺族とRCAがタイアップした公式のもの)にあるように、今までの、あの、キンキンした、薄手の低音で、残響なしと言うイメージを払拭する素晴らしいもの(今までの盤は何だったのか?)。そして、オケ、合唱、独唱のバランスが見事なのだ。つまり、歌手陣は誠実で、絶叫しない、古典的な歌唱で(ちょっとヴィブラートが多めだが)出しゃばらないバランスを保ち、全然オペラティックでない(予想と全く違う)。そのためか、モツレクを思い出させてしまう程。合唱は、これまたなぜか、後ろに引っ込んだ録音で、後ろから包み込む、落ち着いた歌声で、少人数のバロック音楽での合唱団を彷彿とさせる。この曲は、同じ歌詞をぐるぐると何回か歌うので、明晰に聞こえる必要もないし、特に独唱と重なっているときにはなおさらで、このバランスは最高。オケは、思い切ったバランスで録られ、ホルンとトロンボーンがよく聞こえ、合唱と重なってもベートーヴェンのオーケストレーションがよく分かるので、とても発見が多く、これも全然キンキンしない!キリエ(主よ哀れみ給え)がこんなに真に迫ったものもなかったし、最後のアニュスデイの優しさには、本当にビックリした(ワルターを思い出させる)。オケのメンバーもびっくりだろうなぁ・・終結部分も、他の演奏で聴くと、”何でベートーヴェンはこんな終わり方にしたんだろう?”と物足りなさだけが残るもの(バーンスタインのようにどんなに立派にリタルランドしてフェルマータ気味に最後の音を延ばしても)が、”ああ、水泡が無に帰すように(シャボン玉がはじけるように)、最後の音が大空に舞って(飛び散って)無常に終わるんだなぁ・・”と納得させられてしまうのです。
 一方、第九の方は、快速、きっぱり、トスカニーニらしいイタリアのベートーヴェンだが、とても気持ちがよい。現代感覚、スポーティー、カラヤンの原型、と言った意味がよく分かるし、現在の古楽器の指揮者たちがやっていることを、もう50年以上前に、より徹底した形でやってしまっている、と思えてしまう(苦笑)、未だに新鮮な演奏です。また、デッドなライブ録音等では、なかなか分からなかったNBC交響楽団の”超”優秀さがはっきりと記録され、私には驚きの一枚でした。

 つい先日(2009年3月)、BS1でトスカニーニの回顧録のような番組を見ましたが、彼が尊敬する作曲家は、ヴェルディ、ワーグナー、そして誰よりもベートーヴェン。その中でも第九の第3楽章、そして最上の音楽として、”荘厳ミサ曲”を挙げて、絶賛していましたね。その理由がはっきりわかる演奏です。