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ぼくはこう生きている 君はどうか

価格: ¥1,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 潮出版社
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今、日本も日本人も迷っています。 ★★★★★
大きなテーブルを前にリラックスして語り合っている二人の写真。本書の中身も帯の写真のようにリラックスした二人が「生きる」ということを語り合っています。鶴見氏は、重松さんと我々に「ぼくはこういう考えで、こうやって生きてきたんだよ」とやさしく語りかけてくれます。正解のある点数主義や経済優先の日本社会が壊れつつある今、「自分はどう生きたらいいのか」と自分に迷っている人には、鶴見氏の言葉になにか感じ入るかと思います。今、日本も日本人も迷っています。これから日本は世界の三流国としてどう生きていく覚悟があるのか、という鶴見氏の言葉が私には残りました。
鶴見俊輔の言葉を少しでも取り逃がしたくない人へ。 ★★★★☆
鶴見俊輔さんと重松清さんの対談集。

重松さんはこれは対談ではなくて講義だといっているが、その通り、重松さんを相手に鶴見さんが語るという体裁のもの。
重松さんも第二章くらいから随分積極的な聞き手になってきて、子供の話にたいしてはいくつか面白いエピソードを紹介して、鶴見さんの更なる話を引き出してくれている。

鶴見さんの話は何度も聞き覚えのある話でも、そのエピソードがでるコンテクストによって様々な意味合いをもたらしてくれるから不思議だ。

今回初めて読んだもので面白かったのは、
自殺してもいいの?という鶴見さんの息子さんが発した問いに対する鶴見俊輔風の答え。
「もし強姦をして、証拠隠滅のために女を殺そうと思ったのなら、そのときは自分を殺しなさい。」

とても軽い本で2時間くらいで読めるけれど、鶴見さん入門としては少し物足りない。鶴見ファンの鶴見思想コンプリヘンションのための本と言った方が的確。

今編集者の人たちは、彼の言葉を少しでも残しておこうと必死なのだろうと思う。
生きて行く時の物差しとは ★★★★★
鶴見俊輔氏と重松清氏の対話。

4章に分かれた対話の全編を貫いているのは、
やはり最初の教育の話かなと思います。

日本の教育は、戦後の偏差値教育とか、
ゆとり教育とかいう短いスパンではなく、
既に日露戦争の終わった1905年からの問題だという、鶴見氏。

1905年までに教育を受けた人というのは、
その多くは明治以前に生まれた人達です。

明治以前とそれ以降、二つの世界を生きた人達に宿るもの。

時が経つにつれてそれは消えて行き、
「予算を増やして、ノーベル賞受賞者を30人増やします」
という発想にたどり着く様を、
鶴見氏は教育が”箱モノ”になったと評します。

教育が「箱」で覆われていなかった頃の、
人の生き方、共同体のあり方。

両親のこと、姉のこと、友人のこと、戦争中のこと。
その中で、
「自分はこういう風に生きている」
「きみはどうか」
と問いかける鶴見氏の態度に飾る様子はありません。

お二人の対談は軽妙で、引き込まれます。
でも、決して軽いわけではありません。

僕はどう生きて来て、そしてこれからどう生きて行くか、
その返事を考えて生きようと思います。

ごく普通の人へのあたたかいまなざし…… ★★★★★
重松清氏は「きよしこ」に代表されるように、
世間では「弱者」扱いされてしまう人たちに対して、
常にあたたかい視線を向けてきた。

  「あしたのジョー」になれたら、かっこいいよな……
  だけどみんな、「マンモス西」のように平凡に生きるようになる。
  でも……それでいいじゃないか。

あるエッセイで、そういうことを書いていた。
この考えが重松氏の作品の多くに流れている。
目線が低いのだ。

鶴見俊輔氏にも、同じことが言える。

字も大きく、150ページほどの対談集だから、あっという間に読める。
けれども、この充実した読後感!
まさにタイトル通り、鶴見氏は「ぼくはこう思う、君はどう?」
と小説家に語りかける。決して上から目線ではない。

「ぼくもよくわからないんだ……」といった迷いや戸惑いも、
そのまま吐露される。
重松氏も真剣に考え、答え、悩む。

重苦しくないが軽くもない。
心に響く一冊である。
世の中のこと、人生……いろんなコトに悩んだときの、
ダイレクトな答えではなく、なんというか……解決へのヒントのようなものがあるのだ。
持続するひらめき ★★★★★
ミラーニューロンという言葉をさいきん覚えた。
けっきょく人は他人のふるまいを通して生きる術をまねびていくのだ。
重松清さんが、九十歳近い鶴見さんに教えを受ける。
逆に鶴見さんも重松さんの作品を読み、学ぶ。
自分の弱い部分を認めて謙虚に。
萎縮しない旺盛な好奇心。
重松さんのインタビューの載ったエロ本(?)の当該ページを鶴見さんはビリビリと手で破いて持ってくる。
その不揃いの切れ目に重松さんはぬくもりを感じる。

…ベトナム戦争以前のアメリカの社会学というのは、だいたい自分や知人の体験を伏せるんです。それがベトナム戦争以後、自分や自分の身近な人の反射の仕方を提示するというものが出てきた。(鶴見)

鶴見さんが出会ってきたいろんな人たちのエピソードや触発されて得たひらめきが満載の…
こじんまりしてるけど…きらりと光る一冊です。

子供の教育についての示唆に富むやりとりも多く、マサコさんやヒロコさん…子供の不登校に悩む親御さんにもおすすめです。