逃げて、追いかけられて、お母さんの心を確かめたいかわいいこうさぎ
★★★★★
「ぼくにげちゃうよ」と言い出した「こうさぎ」に、かあさんは「おまえはとってもかわいいわたしのぼうやだもの」と言って、どこまでも追いかけてきます……。
お母さんは本当にぼくのことが好きなのかな、どのくらい好きなのかな、と試してみたいこうさぎと、どこまでも真面目に追いかけてくるお母さんの姿には、ほおがゆるんでしまいます。どんなことがあろうと、わたしはあなたのことが大好きなお母さんなのよ、というメッセージは、この本を読んだ子を、とても安心させると思います。
それに、子どもは追いかけっこが大好き。追いかけられるっていうことには、好かれている、というドギトキするような、秘密っぽいうれしい気持ちが隠されているのですよね。
それにしても、ワイズ・ブラウンのウィットと想像力にとんだ会話のやりとりと、クレメント・ハードの、時にマグリットを思わせるシュールな絵が、とても印象的。とくに、木や風になったりするおかあさんは大迫力だし、にんじんで「おがわのさかな」になったこうさぎをつりあげる絵は、『おやすみなさいおつきさま』の部屋の左壁にも、さりげなく飾られていますよね。
このお母さんはストーカーっぽい、と思うのは違う気がします。愛されていることを、何度も確かめたい子どもの心に、いつでも真剣に付き合える大人でいたいと思います。
♪ 包み込むような、深〜い愛情でいっぱい ♪
★★★★☆
お母さんと子うさぎが想像しては、会話を楽しんでいます。
「母さんが追いかけてきたら、ぼくは魚になって泳いでいっちゃうよ」
つづく、お母さんの台詞。
「おまえが小川の魚になるのなら、母さんは漁師になって、おまえをつり上げてあげますよ」
そう言ってもらえるのが嬉しくて、色んな変身をして逃げていく坊や。
「ぼく、逃げちゃうよ。」
愛されているからこそ、安心してそんな事が言えるのですね。
どんなに逃げようとしても、包み込むような深〜い愛情で、そっと優しく、だけどしっかりと捕まえていてくれるお母さんがいるから。ちゃんとお話を聞いて、受けてくれるお母さんがいるからですよね。
心温まる絵本です
★★★★★
自我の芽生えた坊やうさぎと、その坊やを包む大きな母の愛・・・
読んでいてジーンとこころが温まる絵本です。
モノトーンのページと交互に現れる美しい色彩と愛らしく楽しい絵。
3歳の娘のお気に入りの絵本です。が、7歳の娘もとても気に入っています。
寝る前に読み聞かせるととても幸せな気持ちになるそうです。
同じ作者の「おやすみなさいおつきさま」もぜひどうぞ。
「あれ!この絵こっちの絵本にあったぞー!」と楽しめます。
受け取り手によっては、重い絵本になりそうです。
★★★★☆
この絵本、子どもの気持ちを本当によく分かっている絵本だと思います。
自立していきたい気持ちと、でも、親から離れることに対して不安な気持ち。
僕、自立していっちゃうよ。と主張する子どもに、母親が、どんな状況になっても、お母さんはちゃんと見ているから大丈夫ーと安心させているんですね。
でも、子離れできない母親の元にいる子どもにとっては、ちょっと不満です。
自立しようと自分の足で歩き出そうとしているのに、どこに行こうとしてもお母さんが重たく付いてくる・・・
正直、私はこの本が苦手でした。
子どもが、自立していこうとする姿を不安かもしれないけど、後ろで見守っていることが大切じゃないかとー。
でも、何度か人が読み聞かせをしているのを聞いているうちに、やっぱりこの絵本っていい絵本だな−と思うようになりました。
どんな時も、お母さんは見守ってる。それがちゃんと分かるから、子どもは自立していけるんですよね。
この絵本が、好きだと思ってくれるよう子育てしたいと思います。
子供が求めるおかあさん
★★★★★
ただただ甘える赤ちゃんから、自我が芽生え、ちょっと反抗的になったり、いじけたり。
どんな子供にでも、多かれ少なかれそういう時期があると思います。
うちの子も私に似て意地っ張りだし、あまのじゃくな時があります。
そんな時、余裕がないと「もう、ママしらない!」ってなりませんか?(私だけ?笑)
でも、子供は自分が「イヤ」って言っても、「それでも好きよ」ってお母さんに言って欲しいんですよね。
ある時、「イヤ!」とか「あっち言って!」って言われて、逆に「いや~、ママは好きだも~ん」とか「ほんとはくっつきたいくせに~」ってギュしたりとか「イヤって言ったら、その倍好きって言うからね!」ってやったりしてみました。
すると、子供は一生懸命怒った顔をしようとするんですけど、絶対ニヤニヤになっちゃうんですよ。
忙しい日常の中、この絵本を読むと、きっとそんな気分になれると思います。
子供と交互に読むのもおススメです♪