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菜の花の沖〈5〉 (文春文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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レビュー(中) ★★★☆☆
この巻の評価だけからい。
1〜4までの評価は1に記してある。

途中で挫折する人もあるいは出ると思う。
全体の物語の中で、嘉兵衛が巻き込まれる状況について、るる述べている。
主にロシア側の事情である。

ここが押さえられないと6巻での感動も半分に違いないが、しかし長すぎる。
半ばロシア史の紐解き。

まだしも慰めとなるのは、この坂を登りきれば実によき景観が開けるということ。
現在進行形で読んでいる方には、高台に上るための峠と思って進んで貰いたい。

放棄するのは勿体ないですよ。
必要な脱線。脱線の面白さ。 ★★★★★
~ここに来て大脱線があります。
51ページから370ページまでの間、つまりは最初と最後以外、
本作の主人公である高田屋嘉兵衛が出てこないのです。

その間描かれるのは、
嘉兵衛が心魂を傾けている蝦夷地から日本(の鎖国)を脅かす
ロシアのその当時までの歴史です。
もちろん、単なる脱線ではなく、なぜロシアが北方に固執するのか、
そして嘉兵衛が連~~れ去れた後のロシア社会の気質などを理解するためには
どこかで触れておくべき事項ではあるのでしょう。

『坂の上の雲』でも描かれたように、日本とロシアの関係というのは
もちろん国境を接している隣国ということもあるし、
それ以上に南下(拡張)志向があるという意味において重要な存在である、
ということが分かります。~

歴史に「もし」はないけれど。 ★★★★☆
「もし、あの時○○が○○だったら。」 を考えながら読んでしまう本です。
この本の中には考えたくなるような事が多くありました。
鎖国中の日本と東を目指すロシアとの関わりの中で色々と考えてみました。
気になった言葉です。
◆間宮林蔵はそういう男ではなく、あくまでひとりきりの男であった。か
れは、自分一個ですべて完結していた。
◆ニコライ堂を建てたニコライ神父は、「日本幽囚記」の中の高田屋嘉兵衛に魅力を感じ、生涯の目標を日本の布教に定めた。
◆帝国というのは、もっとも効率的な収奪機構として発達した。
◆王国については、封建諸侯の自治の上に王様がのっかっているだけで、じ
かに王が搾取するわけではない。
◆海軍は興しうる。貴族を士官として名誉と華麗な軍服をあたえ、水兵は農
民から徴兵すれば出来あがるのだが、
商船隊は、それへの人材供給をすべき高度な市民層が形成されなければでき
ないのである。
◆儒教文明には人種差別というものがほとんどなく、儒教的規律による文明
か非文明かがあるのみだ。
◆「礼」というつきあいの仕方が世界に及ぼしてもとらぬところの真理であ
ると信ずるところから出発しているあたり、たしかに宗教というほかない。
◆かれは国益を考える側の人でありながら、巨大国家の商業的国益によって
、心も体もぼろぼろに崩されてしまう下層者を、高い温度をもった眼差しで
見つめつづけている。
◆先祖の武功による家禄を、代々が引き継いで行って、大過がなければ生涯
をすごせるのである。
◆国家と国家が緊張関係にあるとき、おろかしい物理作用がくりかえされる。
人類にそなわった人間的な智恵は、ここではほとんど役に立たない。
◆このように品よくおさまった秩序社会にあってめざましく能力を発揮する
というのは、それじたいが下品な印象をうけ、
いかがわしく思われ、出る杭は打たれるという当時の諺が示すように結局は
自滅することが多い。
-ちょっと前のサラリーマン社会とだぶったりもしました。
 年功序列って正に封建社会だったのかも?
今に続く日本人の原型! ★★★★★
読み進むのに、時間がかかった。一ページ毎に思いをめぐらし、立ち止まっては進み、という状態に陥った。
元和堰武という200年に及ぶ武力の放棄。大平の時代。世界が分からない幕府。
時代は150年程前のものであるが、今も似たような気がする。元来日本人というのは、イジメは好きだが、戦が嫌いな民族のようにも思える。