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制御工学の考え方―産業革命は「制御」からはじまった (ブルーバックス)

価格: ¥924
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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あくまでも「制御工学の考え方」 制御理論は専門書を読もう ★★★☆☆
ブルーバックスだけに、制御理論をコンパクトにまとめている書籍を期待して手に取りました。
しかし、どちらかというと制御工学の発展の歴史が中心。ワットの蒸気機関以来、なぜ制御工学が発展してきたか?制御工学がどのような社会の問題を解決しようとしているのか?を中心に解説しています。

制御理論の説明に関しては、概要を日本語と図で解説されており、数学モデルの説明はありません。
分かりやすくて良いですが、理論の簡単な説明を期待していると、ちょっと期待はずれな印象を受けるかもしれません。
制御工学の先輩 ★★★★★
制御工学の先達が、制御工学を分かりやすく教えようとしている。
背景、基礎的な事項をていねいに書いている。
制御の重要さは伝わっている。
PID制御、試行錯誤について述べている。
モデルフリー制御が、試行錯誤によるもの。
モデルベース制御は、H無限大のような制御モデルを作成するもの。

技術の果たす社会的な役割が、やや不明確なのかもしれない。
大学の存在に対する疑問がない。
理論の正当性に対する疑問がない。
悪用の可能性に対する疑問がない。
そのため、やや平板的だと感じる人がいるかもしれない。
実は普遍性のある学問 ★★★★★
セイギョコウガク…。門外漢にはなんとも硬く、難しげで、一部の専門家以外には必要なさそうに聞こえるこの分野。ところがどっこい、これがじつに面白いのだ。

本書の前半では、ワットの調速器から始まる古典制御理論からカルマンの現代制御理論までの歴史と考え方のエッセンスがわかりやすく解説されている。フィードバック制御系やフィードフォワード制御系といった考え方は、専門外の我々も漠然としたイメージのままよく使うが、より厳密な理解が得られて有益である。

そして本書後半では、制御理論がどのような分野に活用されているのかを、豊富な事例を通して紹介している。ルームエアコン、ハードディスク、自動車のさまざまな機構、製鉄所の溶鉱炉の制御といった工学的な分野はもとより、最近では生物学、経済学、脳科学といった他分野にまで制御工学が応用されつつある。

制御工学の面白さは著者も本書の中で繰り返し語っているように、その普遍性にある。制御にかかわる現象は工学の分野を越えていたるところに存在しており、制御工学はそれらを扱うための理論的基盤となりうる。

制御系を組む場合に一番最初にしなくてはならないことは、目標をしっかり立てることである。制御工学を他分野で生かすために意外と難しいのはここだと思われる。

特に人間や社会に適用する場合、これらがどういう目的を持った制御系なのかを厳密に定式化するのは難しい。だが、それさえ乗り越えられれば、制御工学は人間や社会の振る舞いを記述する強力な武器になりうると考えられる。

本書を読むと制御工学の考え方をいろいろな分野に応用してみたくなってくる。制御工学以外の分野の人に特にオススメな本。
制御工学についての気楽に読める読み物 ★★★☆☆

 著者によれば、本書執筆の動機は3つあるという。第1に、大学の工学部学生に気楽に読める制御工学の入門書を提供すること。第2に、「縁の下の力持ち」で普段は目立たない制御技術の活躍ぶりを広く世間に知らしめること。第3に、工学の範囲を超える、制御の普遍性を示すこと。

 そのために、本書は、制御の歴史から話を始め(第1章)、制御の必要性や基本的な枠組みを示し(第2〜4章)、家庭用のエアコンから巨大な溶鉱炉にまで組み込まれている様々な制御システムの例を挙げ(第5〜7章)、今後我々の生活のあらゆる分野において制御がますます重要になってくるだろうことを述べる(第8章)、という構成になっている。

 高度な最新理論や最新技術の詳細には踏み込んでおらず、私自身は工学に関しては全くの門外漢だが読み物として読むことができた。技術者が高度で困難な制御をどのように実現してきたのかが具体的に書かれていればもっと面白かったのではと思うが、上記の著者の目論見は概ね達成されていると思う。

 ただ、知らないことを知ったときに通常感じるワクワク感を感じなかったのもまた事実。私自身は、どんなものにもポジティブな側面とネガティブな側面があると思っているので、本書を貫いている「技術の進歩=善」という価値観に違和感を感じてしまうせいかもしれない。

遍く制御 ★★★☆☆
動的なシステムの安定・意図的な状態変更、生命の自立的な安定・適応といった万物に制御が必要だと言うことがわかった。でも、制御工学の素人である私には制御工学の特徴と言うより、「存在」として認識可能な「もの」は総て何らかの制御が働いていると言う、なんら面白くない結論である。
理論の深みにはまって抜け出せなくなった専門家や学生を、制御工学は総てのシステムに適用可能だよといって現実に引き戻す本のようにも思える。
素人向けにはもっと理論的な面白さを前面に出しても良かったのではと思われる。