筆者が解説する「内容」はたいしたことありません。読みとるべきは筆者の「態度」です。それを感じとることによって、わたしたちがキリスト教徒に対してどのような態度をとるべきかが見えてきます。筆者は英語が堪能なキリスト教インテリ層ですから、紛うかたなき国際人です。だから説得力があります。キリスト教徒に失礼のないようにするためには、かの女に従っておけば間違いはないでしょう。その意味で、たいへん役に立つ一冊です。
例外はあるものの、ほとんどの日本人は「神」を知りません。だから筆者の意図は痛いほどよく分かります。ちくちく刺さります。日本人は三位一体も知らず、処女懐胎も復活の奇蹟も信じないくせに十字架のペンダントをさげ、神父さまの前で愛を誓うことに憧れ、降誕祭に浮かれています。しかしそんな無知な日本人から、ひとつ申し上げたいことがあります。「高慢」はキリスト教の七つの大罪のひとつです。