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近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ (講談社選書メチエ)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:玉木俊明/著 出版社名:講談社 シリーズ名:講談社選書メチエ 448 発行年月:2009年09月 関連キーワード:キンダイ ヨ-ロツパ ノ タンジヨウ オランダ カラ イギリス エ コウダンシヤ センシヨ メチエ 448 きんだい よ-ろつぱ の たんじよう おらんだ から いぎりす え こうだんしや せんしよ めちえ 448、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253 「近代」は十六世紀オランダに始まった。ウォーラーステインの「近代世界システム論」を出発点に、近代ヨーロッパ勃興の過程を北のバルト海世界に注目して解明し、あわせて「最初の近代システム」オランダから、「最初の近代国家」イギリスへのヘゲモニー移動のプロセスを描く、グローバルヒストリー研究の最前線。 序章 近代世界システムからみたヨーロッパの近世と
貿易の観点から、ヨーロッパの基軸が、地中海から北方へと移っていく様を論述。 ★★★☆☆
オランダに興味があったので読み進めた本。
主に「貿易」という観点から、オランダを中心に論述されていく。

ヴェネツィアを代表とする地中海貿易が衰退し、
重点が北方ヨーロッパになる。

地中海システムは、ヴェネツィアとジェノヴァが宿敵関係だったように、
各都市が自らの利権に執着し、
お互いが関連しながら全体的な貿易構造をつくることがなかった。

だが「北方ヨーロッパシステム」は、
国家が主導する形ではなかったオランダ・アムステルダムが中心となり、
そこでは宗教的な締め付けもなく、近海や河川を活用した「均質的な貿易システム」が誕生した。

地中海世界での森林資源の枯渇、人口増大による食糧危機を
ヨーロッパ最大の穀倉地帯だったデンマークの穀物が支え、
その貿易拠点となったオランダが、北方ヨーロッパシステムの中心となる。
広域システム全体の主導権を握るヘゲモニー国家の誕生。
その延長上に、帝国を築いたイギリスの「近代を主導するヘゲモニー」時代が来る。

こうした流れが書いてある。

著者は、一般向け書籍となるように2回書き直したと述べているが、
それでもまだ専門的だと感じる。
より広い範囲での視野と、歴史的解釈が盛り込まれ、
それが基盤になっていれば、さらに有益な本になったと思う。

これだったら『繁栄と衰退と』の方が、説得力があり、有益。
マックス・ウェーバーと大塚久雄の再評価を促す好著 ★★★★★
筆者があとがきで「実証的な部分を大幅にカット」といっていることからもうかがえるように、説得力はない。なるほど、という納得や、時代の生き生きとした描写を求めると裏切られる。根拠のとぼしい数字の羅列と説得力のない論の展開が進むが、最後に目からうろこの納得。「精度がいくら上がったところで「なぜ、あるいはどのようにして産業革命が発生したのか」という問いに答えられないかぎり、計量経済史は、一般の歴史家や読者にはアピールできまい」という言葉、そしてきわめつけは「現在の経済史研究はリアリティを失って」いるという言葉。本書はこれらの言葉を身をもって示している。本書を読んだ後で、著者玉木氏も文献リストで読者に薦めている国民経済―その歴史的考察 (講談社学術文庫)や、生活の貧しさと心の貧しさ、社会科学における人間 (岩波新書 黄版 11)を読むと心が洗われる気がするであろう。マックス・ウェーバーの言う「心なき専門人」とは何かを考えさせらる好著。
最新の枠組みと成果から見た近代の誕生 ★★★★★
 いくつかの欠点を指摘しつつも、ウォーラーステインの「近代世界システム」を出発点に、「グローバルヒストリー」等と突き合わせ、オランダからイギリスへのヘゲモニー移譲の背景とプロセスを経済史の観点から緻密に描き出す読み応えのある一冊。
 「政教分離」「市民社会」「資本主義」「合理主義」が近代社会を決定づける指標であるとするなら、すくなくともその原型はオランダに見出される。そしてそれは激しいの抗争の末にイギリスに敗れ去る。こまでは今までも論じられてきたわけだが、本書はさらに視野を広げ、また議論を深める。
 オランダ勃興以前のバルト海、その後のハンブルグ、そしてフランス革命・ナポレオン戦争・産業革命まで取り込んで、ダイナミックな歴史像を描かれる。近世ヨーロッパの抱える「危機」を乗り越えるために生まれたオランダの「近代」がイギリスへとバトンタッチされ、アジア・アフリカ・アメリカを巻き込んで「近代」が螺旋状に形成されていく。
 ややオランダというのは、日本では軽視されがちであったが、その視点からは江戸時代にオランダとだけ国交を持ったのも理由が見えてくる。フェートン号事件、ペリー来航による開国も本書の示す世界システムの観点から見ると一連のものとしてすっきり理解できるものである。