医療機関の名前を「関東地方にあるA総合病院」「代替医療担当のH医師」とイニシャルで書いているのに違和感を持ちながらも読み進んだが、F1ドライバーのミヒャエル＝シューマッハが、アメリカグランプリでインディアナポリスに宿泊中、部屋の真下に地下水脈があり、そのマイナス波動が安眠を妨げているとアドバイスを受けたので、ベッドの位置をずらし、熟睡を得て優勝したと、ドイツの大衆紙『ビルト』から引用しているにもかかわらず、以後彼やF1界が波動の宣伝塔となったとの記述は無いなど、手放しで受け入れ辛く、何だかいかがわしさが残った。

　また患者の治癒に関して、ブログなどでも患者側からの記述は無く、1999年に波動測定器のEAVを日本歯科医師会が医療測定器として認定しているのもあって、整体・医師よりも歯科医のHPでの記載が目立った点、1989年にカリフォルニア州で開発された波動測定器MRA(Magnetic Resonance Analyzer)を、水に声をかければ結晶の形が美しくも醜くもなるとの嘘本『水からの伝言』の著者・江本勝が日本に導入した点、オカルト経営コンサルタントの船井幸雄が推奨している点など怪しい点だらけなのだが、私自身オカルト好きであり、電磁波公害のようにまともな記述もあったので、プラシーボ効果程度はあるだろうと☆１まで厳しくはしなかった。


　この治療だけでたいした銭を取られるわけでないし、1回目で楽にならなければ止めればよいだけで、大きな実害もなさそうではあるものの、万人に効果のある治療ではないとの疑いは払拭できるものではない。