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詳解「討議資料・財務会計の概念フレームワーク」

価格: ¥3,780
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央経済社
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会計知識の見直しにも有益 ★★★★★
日本人は国際的な議論の場での自己主張が弱いといわれる。わが国の会計制度にも大きな影響を及ぼす国際会計基準へのコンバージェンスの問題を、各国間で議論しようとする時に、そもそも国内での討議のプラットフォームがなければ、結局わが国として必要な主張もできないことになる。本書はそうした討議の基本的な資料として極めて重要な位置にある。また、普段は実務に忙殺される会計の専門家にも、ぜひ一読して最新の会計事情へのブラッシュアップに役立てていただきたい。
難しい、しかしメッチャ大事 ★★★★★
 ASBJ(企業会計基準委員会)は、2004年7月に「財務会計の概念フレームワーク」第1版を公表し、2006年12月にはその第2版を公表した。本書はその解説本である。解説には斎藤静樹先生をはじめ現在日本の錚々たる会計学者が当たっている。それはそれでいいのだが、何しろその錚々たる先生方が勝手気侭に自分の意見も付加して解説を加えていくものだからなかなか難しい。オリジナルのフレームワーク自らが新しい概念に基づいて書かれているものだから、なかなかとっつき難いのである。しかしいい本だ。もっと読まれて然るべき内容を持っている。21世紀の世界の会計の進むべき方向を決定しようとする意気込みの溢れた良書であるといったら、いい過ぎだろうか。

 FASBに影響を受けつつ、資産・負債アプローチを踏まえつつ、論理が進む。
「純利益」を生み出す投資の正味ストックを「株主資本」、「包括利益」を生み出す投資の正味ストックを「純資産」と称する。いまや知らないでは済まされない「包括利益」の概念、これでもかこれでもかといわんばかりに、複数の先生がじっくり解説している。これからの損益計算書は「包括利益」を理解せずにはどうしようもないんだ。

 厳格に「負債」を定義したため、この概念フレームワークでは「負ののれん」は負債から外れる事になる。そういえば少し前に作成したあの会社の有報でも、四半期でも「負ののれん」はあったけどなあ。今後、どうするんだろう、あれ。
修繕引当金のように債務性のない引当金も負債ではない。
 「投資のリスク」という考え方があるので、我々会計学を勉強してきたものにはお馴染みの「財政状態」「経営成績」という言葉は、新しいフレームワークでは「投資のポジション」「投資の成果」という言葉使いに代わる・・・・・。

 そのほか、いろんな事が書かれている本書を読み通す気概を持つことこそが、手始めだろうか・・・・・。
大変勉強になりました。 ★★★★★
基本概念ワーキング・グループの座長を務めた方がまとめられた解説書ですから、解説内容がとてもわかりやすく、かつ、的を得ています。わが国のこれからの企業会計の指針となるべき概念書である「概念フレームワーク」が、どうして純利益情報にこだわるのか、包括利益の概念を並存させたのは何故か、自己創設のれんの資産計上が何故認められないか、リスクからの解放とは何か等につき、「概念フレームワーク」を読んだだけではわかりづらい論点を丁寧に解説してくれます。専門学校の講師のみならず税理士試験の受験生必携の一冊です。なお、斎藤氏を含んで12名の専門家が様々な論点につき執筆していますが、今年度から税理士試験(財務諸表論)の試験委員を務められている徳賀先生も執筆者に含まれていることは特筆すべきことです。来年の本試験を予定されている方は、早い段階で一読されることをお薦めします。