国内での記念講演や座談の寄せ集め
★★★☆☆
●朝日新聞社ほかの主催で2009年3月24日に行われた「ノーベル化学賞受賞記念 下村脩講演会」の内容がほとんどそのまま収録されている。
●本来ならば科学雑誌の別冊あたりで出すべき内容であり、「著者 下村脩」と銘打って書籍として出版されるのは違和感がある。
●話した内容そのままが収録されているおかげで、下村氏の飾らない人柄と研究に対する真摯な姿勢を知ることができる。本書に価値を見いだすとすれば、この点であろう。
●本書前半に収録されているノーベル賞記念講演については、これとほぼ同じ内容の下村氏自身による講演のようすを長崎大学のHP上で見ることができる。
●下村氏が発見したGFPとその意義についてきちんと知りたいのであれば、「光るクラゲがノーベル賞をとった理由」(日本評論社)を読んだ方がよいと思われる。