本書の舞台であるグッド・サマリタン病院6階の病棟も、前著『フィッシュ!──鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方』で紹介されたパイク・プレイス魚市場の事例を参考に、職場の雰囲気改善に成功していた。しかし、今や改善に一丸となっていたころの活気は失われつつあり、当時の活気を知らない新人に至っては、転属を願い出る始末。そんな病棟の雰囲気に悩むリーダーを救ったのは、マンハッタンで有名な、行列の出来る寿司屋だった。
魚市場に寿司屋と、オフィス改善の先導役として思いつかないようなところからヒントを得るのは、一連の「フィッシュ!」シリーズのユニークなところである。しかし、本書で提示されている3つの秘訣は、オフィスはもちろんのこと、趣味のサークルや地域の自治会など、どんな集団であっても応用可能だ。
個人のプライベート上での事件や、事情を知らない人の編入など、集団の活気をそぐ理由は枚挙にいとまがない。そこをどう乗り越えていくべきか? チームリーダー的な存在を任されている人に読んでほしい本である。(朝倉真弓)
会社や事業を起こす場合、難しいのはそれを始めることよりも、
続けることだと言います。
今回の舞台は、前作で登場した、生まれ変わった総合病院の現場。
主人公は、最近職場の雰囲気がぱっとしないことに不安を抱えています。
その主人公を救ったのが、マンハッタンのレストラン激戦区にありながら、
4年間も行列が絶えない寿司屋。
彼女はそこで、活気を長持ちさせる極意を知るのです。
前作同様、本自体は薄くて読みやすい。
ただし、そこに書かれている内容は、一見ありふれたものでありながら、
とても大切なものです。
色々な不備が目に付いたり不満があっても、日常の業務に追われると
事態の改善にはなかなか重い腰が上がらないのは人の常。
でも、ぐちぐち言ってたら状況は何も改善しません。
まずは、本書の主人公達のように、まず「行動」することが大切なのでしょう。
本書のメッセージはその辺りにあると思います。
日々の仕事に疲れている人を前向きな気持ちにしてくれる一冊です。