現代だからこそ輝く、語学の精髄
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外国語は、「非母国語」であるがゆえに、その文の構造=文法を、徹底的に理解し、自家薬籠中のものとしなければ、どこかで上達に頭打ちがきてしまうものです。関口文法は、「科学的でない」と、アカデミズムから白眼視されることもあるのですが、その批判は当たりません。なぜなら、我々は言語を、けっして「科学的」に習得するわけではないからです。多量の例文によって、文法と基礎単語の徹底的習熟をはかる、この「非科学的」ながら、徹底して「経験的」に、「実用的」に、語学の総合力を牽引してゆく。これこそが、まさに「語学教授」の王道といえましょう。このシリーズは、そうした「実用本位」の関口文法の真髄のみならず、「文学者」としての関口の、機知に富み、饒舌でありながら冗漫に流れない、真のゲルマニストならではの文体も味わえます。初学者、中級者問わずおすすめできる、まさに珠玉の一品です。