リドリー・スコット監督が1991年に撮った、アメリカン・ニュー・シネマをほうふつさせる女たちのロード・ムービー。アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞しているが、それだけでは評価が低いのでは? と思わせるほど、女ふたりの心意気が胸にしみる秀作である。また今となっては、まだビッグになる前のブラッド・ピットが、テルマを誘惑し、有り金すべて持ち逃げするヒッチハイカーの役で登場しているのも見逃せないポイントだろう。(的田也寸志)