その存在は時に残酷で・・・。
★★★☆☆
シリーズ4作目。
共に出かけの帰りのため同じバスに乗る山吹早月と加部谷恵美。しかしいきなりバスジャックに当惑することに。そのころ警察内で謎の集団の存在が浮上していた。それは「εに誓って」と呼称されていた・・・。
番外編・・?
ってぐらいあっさりです。メインの3人の学生の内2人がバスジャックという手出しできない密室空間に追いやられたんだから今度こそ活躍するんだろうなぁと思ってたら、やっぱりあのコンビがやって来ました。・・・ガーン。
今回はミステリ的な重厚さや精密なトリックは一切でてきません。端的に表すと「2人がバスジャックに巻き込まれた、どうする?」という感じでミニ・サスペンスです。また、バスに乗車する山吹たち以外の人の心情もクローズアップされてましたが、くうちゃんの人しか存在感がなかった。他の人は変に詩的な描写でわかりずらく感じ、最後のオチは後半の展開で分かってしまいました・・。逆に良かったのは山吹姉の秘密暴露と山吹&加部谷のやりとりがほほえましくも進展が気になったという点ですね。ところで真賀田さんの話は一体なんだったのでしょうか。結局θとか関係なかったような・・・。
山吹姉の秘密の場所に森先生は行ったんでしょうか?
も、もしかして・・・非常に、気になります。
偏在しながらにして個である存在
★★★★☆
事件に影に見える真賀田四季の残像。事件の外側にいるものは、その存在を感じながら、ただ傍観するしかない。
偶然東京に居合わせた山吹早月と加部谷恵美が一緒に乗る予定の、中部国際空港行きの高速バス。出発時刻に遅れた二人はそのバスを乗り逃がすはずだったのだが、雪の影響か、その出発が遅延し、運良く乗れてしまう。しかし、運が良かったのはそこまで。高速バスはハイジャックされてしまう。
もし二人が時間通りバス停についていたら、事件はどういう風に変わったのだろう?事件に関わることのなかった人もいただろうし、変わらずに関わることになった人もいた様な気がする。直接事件とのつながりはないけれど、こんなことを考えながらも読めるかもしれない。