痛いけど、渾身の一作・・・と言えなくもないかな。
★★★★☆
かなり痛い作品でした。
途中からは直接的暴力も減るし、基の状況に那智が入ってきて救われない生活を送ることはなくなり希望も出てくるけれど、正直数ページ飛ばしたところもありました。
最後は過激なところもあります。
精神的痛さがあって、恋愛小説としては読めなかった。
BLの甘い恋なんて感じじゃない。
それを踏まえて、凄く計算された内容だとは思うのでおススメはしますが、正直楽しくはない。後味もすっきりはしないです。
全てに悟りを開いて諦めたような基に一筋指す光、那智。
基を救ってやりたいと真剣に想いながらも、本人の意思がなければと一歩引いている那智。
大人の考え方と子供の考え方の相違が最後になって劇的場面を作り出す。
崎谷作品にしてはエロが少ない分、痛みに持ってかれた感じ。
最後の最後までこの基が幸せになるのか判らなかったのが、読んでいて不安になり余計に楽しさを奪ってますね。
渾身の一作・・・と言えなくもないかな。
ひかりさす青、か……
★★★☆☆
色々と灰色の世界観が上手く表現されているな、と思いました。
もう、不幸という不幸を存分に書いた感じですね;受の基が本当に可哀想で、直接的な実写は少なくても精神をギリギリのラインで保っている感じが良く出ていて読むのが苦しくなります。
崎谷さんはエロエロで可愛い作品も多いですが、実はこういう精神を使う様な痛い作品が凄く上手い作家さんですよね。ただ読み手によっては苦手な方もいるかもしれません。疲れている時にはお薦め出来ないかも……。
全体的には良いんですが、今作はラストが少し早足だった感じが残念でした。
同人誌の時のように気持ちが通じてから初めてのHにいくまでの過程をもっと丁寧に書いてほしかったかなぁと思います。二人の甘苦しく揺れる感じが好きだったので。
また、絵柄が微妙に変わってしまったのが違和感があって入り込めませんでした。
そして那智さん!37歳という設定に…!年齢を上げなきゃいけない理由とかあったんでしょうか?あんまり年が離れてると基の将来が不安で…汗
ただこれは商業誌になる以前の本作を知っている者の意見なので、初めて読む方は普通に入り込めると思いますのでご安心下さい。
個人的に同人誌時の本作の方が二人のラブ度(隠れバカップル度?)が高く、好きだったので☆3にしてしまいました…ごめんなさい;
それにしても毎回思うのですが崎谷さんは題名をつけるのが本当にうまいですね!本作もまさに題名そのままのイメージです☆
う〜ん…やっぱりもう少しラブにページを使ってほしかったかな?あれだけ痛さのオンパレードだったので…。
色々書きましたが、全体的には好きな作品です! 痛いの(肉体面というより、精神面の)が割と平気な方にはお薦めです♪
バイオレンス・・・。ちょっと、痛い・・・。
★★★★☆
ラストまで読めば、とりあえず「はぁ〜、よかった」と思える仕上がりになってるので救われましたが、結構なバイオレンス&シリアスです。
序盤は主人公の基(受け)17才、高校生が同級生たちのイジメのターゲットにされていて、理不尽な暴行の描写が続き、ちょっと気分が凹む。と、そこで弁護士の那智(攻め)が登場し、やっと救いの兆しが見えたかと思えば、基の誰も信じない性格と大切な人に迷惑をかけたくないという意地が、どんどん次のバイオレンスを招いていきます。イジメのリーダーがクスリにも手を出していて、ヤクザ絡みの危険にまで巻き込まれ、拉致監禁されてまたも暴行…。
基の家庭の方も崩壊していて父親から、これまた理不尽な暴力と性的な虐待をされ続けてるし、基は鬼気迫る感じで、自分で作った黒い塊を毎晩、磨いていたり…。
そして、ぶっ倒れた基を那智が保護したものの、またしても基は自分一人で決着をつけようと那智の救いの手を拒み、とうとう壊れた父に押し倒され……。
ドライな書き方のバイオレンスの連続の中に、基と那智のラブが少しずつ散りばめられている感じでした。甘いというまでには至らないけど、その部分はちゃんと楽しめます。
ただ、イジメ暴行、暴力、性的虐待、流血沙汰、強姦もありますので苦手な方はご注意くださいね。
良かったところは、那智のアシスタントで過去に傷もつマサルと基の泣ける友情シーン。あと那智の関係者が皆いい人たちで、基のこれからをきっと良いものにしてくれるだろうと希望が持てます。バイオレンスが酷かった分、ささやかな人情ドラマにうるっときました。21才年上の那智の愛情は強くて男らしくてカッコ良かったし、基も那智と一緒の時は妙に緊張したり、頬を染めたり、唐突に告白しちゃったり、素の可愛いらしさも出てて良かったです。
バイオレンスでも何でもどんと来い!という方にはおススメ。全体的には上手くまとめた作品だと思います。
イタいけどあれっ?
★★★★☆
同人誌をベースにした書き下ろし、となってますが、ガラッと変わった所はなく、あの独特の世界が変わってなくてよかったと思います。当時もあのハジケっぷりが好きだったので(笑)那智の背景とかが。 ここからはちょっとネタバレになりますが、学校でイジメられ(暴力)家では虐待される基は、ある時弁護士の那智に出会います。同人誌ではイジメはまぁ、サラっと流されてるのですが、今作ではそこにドラッグなどを絡めて話を膨らませてます。 助けられた基は那智に対する恋心を自覚しますが、基の意識の仕方がまた凄いというか。誰でもありゃ、惚れられてると思うような感じです(^O^)
その後の展開は精神的にも肉体的にもイタいので、説明は省きますが、基の父親がやらかした事に前述のイジメでのドラッグもちょっと関わってたり、上手く繋がってるなぁ、と(笑) それに、なんといっても!那智の性格の暗さというか、自分自身に対するネガティブさが薄くなっててよかったです(^_^)v 基は、あれだけの事をされて、立ち直るには早過ぎるかなぁ、と思いますが。ただ、主人公があれだけイタい思いをして、トラウマ持ちのネガティブになったら、話しが重くなって読後感が悪くなるから、あれでいいのかもしれません。
最後の纏め、那智と基が出来上がるのが駆け足になった感が否めませんが。もっとラブにページを使ってもよかったかも。私はあの二人のなんていうか、べったりのラブ、が好きだったので(笑) まあ、ラブを中心の続編とかがでる予定があるなら今回少ないのもわかりますけど。っていうか、二人のベタベタなラブが読みたいです(≧∇≦)!!続編、出て欲しいですねぇ。
なんだかんだ言いましたが、この作品はちょっと痛いですが、読んで後悔はしないと思います。