上辺の人脈ではなく、「地に足がついた本質的な人脈」について語った本
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「人脈術」と耳にすると、ややもすると、社会的な地位や権威のある人たち
と、どのように知り合いになれるのか等といった、ハウツーものに聞こえる
かもしれない。
しかし、本書で言っている「人脈」とは、そのような自分の見栄のためのもの
や打算的なものではなく、「お互いがお互いを高めあっていけるような、地に
足がついた本質的な人間関係」のことを指している。
したがって、本書の構成も人脈「術」とはタイトルでなっているものの、ハウツー
ものではなく、著者のいう「本物の」人脈を作るために必要な、人としての生き方
について語った内容になっているのが特徴的である。
具体的には、相手を選ぶ前に自分が人に対して素直になること、人と接する
時には心を開いて接する、まずは目の前にある人との関係や仕事を大切に
すること、目の前のことが疎かなのに外に目を向けたところでいい人間関係
が築けるはずがないこと、人に対して謙虚に接すること等が、著者の経験も
踏まえながら、分かりやすく書かれている。
これら著者の主張の根底に共通するメッセージは、つまり、「自分に嘘を
つかず、着飾ることなく、等身大の自分で人と接し、自分を高めていくこと
が将来的な本物の人脈に繋がる」という「生き方」そのものについて言及
したものである。
「人脈を作るためには、まずは足元を固めること。」
本書で印象に残った真面目なメッセージである。
人脈「術」というテクニックじゃなくて、人生の指南書といって良い本
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人脈をつくるには、初対面のときにどうするべきか、
どうやって、人脈を続け、固めて、広げるか、
技術的な内容ばかりでなく、心構えから生き方まで、
深い内容が書かれている。
そして、その人脈をどうするか、含蓄のある言葉で溢れている。
・孤独と対峙する姿勢の中から、他人に対する優しさや、
思いやりが誕生する、
・他人から最終的な正解をもらおうとしてはいけません
・人脈を人の数のコレクションと考えてはならない
・大切な人脈は、安易に使うべきではありません。
・優れた相手にとってふさわしい人間になろうという気持ちが
自分を成長させる原動力になる
読み終えたとき、一体何のための人脈か、考えさせられました。
冒頭に「夢を実現するためには、人脈が必要」、
「夢は自分だけのものではない」「その夢は、社会貢献に
つながるような大きなものであるべき」とあります。
自分の利益のためだけの人脈を考えるならば、その人脈は
発展こともなく、「一生もの」にもならないのでしょう。
ホンモノ
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一生モノというのは、うわべでない、本物であるということ。すぐに見返りを求めるのではなく、一人の人間として謙虚かつ相手をおもいやることから生まれるということがわかりました。自己アピールするより、コミュニケーションをうまくとることが大事なんですね。私は、人見知りをするのですが、自分から壁を作っているのかな、と感じました。素直に受け入れる。謙虚に発信する。私も、一歩、踏み出してみようと思いました。「今度、お茶でも・・」というときは、できそうなときに言うことにします。
「人脈術」というより、「人間関係術」
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本書は、「人脈」という言葉から想像される、マメにいろいろな会合に顔を出し、名詞を配りまくって自分を売り込む……という行為からはほど遠い、およそ、人間として大切な信頼関係をいかに育てるかが、指南されている。
考えてみれば、自分が大したことがないのに、自分以上のレベルの高い人間と同等な関係など結べるはずがない。自分にとっては重要な人間でも、果たして相手にとって、自分は価値ある人間なのか? この「価値ある」とは、べつに、「利用できるか」などという次元の話ではない。自分がほんとうに関係を結びたい相手にも、必要とされる人間になるには、どのような「修練」を積めばいいのかが、著者自身の経験を惜しみなく公開することによって示唆されている。
また、人と接するとき、品位というものがいかに大切かも強調されている。信頼関係を育てるには、時間がかかる。そして、そういう関係をいくつか築けたとき、人の人生は何よりも豊になる。だから、「一生モノ」ということなのだろう。人は、人との関係において、成長していく。べつのタイトルをつけるなら、「慎みの人間学」とでも……。
人間関係に悩んでいる人にこそ、本書をおすすめしたい。
人とのつながりを大切にする
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一生モノの人脈術という題名と、まず目の前の3人を味方につける!
という帯のキャッチコピーから、効率よく自分に都合の良い人間関係を構築する方法が書いてあると思い手に取りました。
しかし、この本に書かれていることは、人脈として他人を利用することではありませんでした。
人脈術という題名ですが、付き合う相手を大切にする気配り、
つながりを大切にしてもらうために必要とされる自分を磨く技術、という内容でした。
自分のために人を利用するのではなく、人に自分を使ってもらうためにはどうすればよいか
ということが具体例とともに書かれています。
この本からは、他人ではなく自分がどのように変わるかがポイントだと再確認することができました。
人とのつながりは目の前の仕事から始まる、ということが丁寧に語られています。