パリの香り
★★★★★
お料理本としてはもちろんですが、昔のパリの雰囲気が自然に垣間見れるような石井さんの文章にとても好感が持てました。
近年多くみられるような、庶民派と標榜しつつ上から目線でセレブをアピールされるようなフランス至上主義的なエッセイに辟易していましたが、時代を越えて愛される本当に品の良い作品だと思います。
お料理は楽しい!という朗らかな宣言が全編に
★★★★☆
この本の存在を知った当時はは品切れ状態だったものが、再発行されたのを機にさっそく購入した。初版はなんと昭和38年。本のどこにも記述はないようだったが、装丁は佐野繁次郎である。おそらく装丁の話からこの本を知ったと思う。そして出版元は暮しの手帖社。なんだか出版の良心を感じませんか?
今では海外どこへ行っても日本人があふれているが、渡航がまだ珍しかった時代に果敢に海外に出て行った日本人を私はおしなべて尊敬する!石井好子さんはもちろん名士の娘だから出来たことではあるだろうけれど、それでもやっぱり尊敬する。
今では当たり前に誰でも知っているフォンデュやパエリアやしゃぶしゃぶの話が珍しいことのように描かれていて時代を感じる部分あり、一方では今でも目新しいレシピや食材の話もあふれている。
お料理は楽しい!という朗らかな宣言が全編にあふれている好感の持てる本。Paris好きのわたしとしては、当時のパリと、当時のパリの日本人を知ることも出来るうれしい本でもある。
フランスパンが好きになる
★★★★★
私の料理本好き、レシピブック好きはこの本から始まったといっても
決して過言ではない、そんな心に残る一冊です。
この本は図解や詳しい写真がないところがいい。
石井女史の言葉をかり、頭の中で自分の想像力を膨らませて
お腹いっぱいにできるのがステキです。
これを読んだあと、ただスーパーでフランスパンを買って来て、
カリっと焼いてバタをたっぷり塗って食べるだけで
本当にほんわかとした気分になれてしまう、ロマンティックな本。
レシピを試しても試さなくても、お料理が好きでもそうじゃなくても
女史の軽快で飾りのない文章に自然と引き込まれていくと思います。
ずっと大切にしたい一冊です。
50年前のパリの、美味しそうな香り!
★★★★★
50年前に書かれたとは思えないほど、楽しめるエッセイでした。
タイトルのオムレツはもちろん、数々のお料理とそれにまつわるエピソードが載っています。
野菜料理に肉料理、フランスの地方料理…文章を読むだけで美味しい香りが漂ってきそうです。
日本人が海外を旅行することすら珍しかった時代、著者の石井さんはパリで多くの経験とお料理を吸収されていたのですね。
著者のパリでの暮らしぶりや当時のパリの様子など、興味深く読ませてもらいました。
すこし古い本ですが。
★★★★★
お料理読本としても、随筆集として読むこともできます。
この本読んだばっかりに、かなり大きくなるまで
石井好子さんをお料理の先生だと思っていた自分;;
(超有名なシャンソン歌手です)
フランスで、日本で、スペインで、演奏旅行でめぐった場所での
「食べ物」について語り、作り方を記した素敵なエッセイ集。
私はこれで、トマトが食べられるようになりました。