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八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)

価格: ¥1,092
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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マット・スカダーの<感傷>と現代ニューヨークの<影> ★★★★☆
アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’94年度グランドマスター(巨匠)賞に輝いたローレンス・ブロックの、PWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)が主催するシェイマス賞の’83年度最優秀長編賞受賞作。本書は無免許の探偵<マット・スカダー>シリーズの5作目である。

スカダーは元警察官だったが、追跡中の犯罪者に向けて撃った銃弾の流れ弾がひとりの少女の命を奪ってからというもの、アルコールに溺れ、職も家族も失い、安ホテルに住みながら非公式の探偵業を営んでいる。今は断酒を誓い、AA(アルコール中毒者自主治療協会)の集会に顔を出す日々だ。

そんな彼の元にヒモと手を切りたいという女が依頼人として現れる。探し当てたヒモは意外にもあっさり了承するが、その直後、女がホテルで惨殺される。今度は容疑者となったヒモから真犯人探しを依頼されることになったスカダーは、ニューヨークの街をさまようかのように関係者を訪ね、調査を始めるのだが、新たな死が彼を待っていた。結果、新聞に載っていたある事件の記事を伏線として、終決に至るのだが、それはいかにも先進国社会の最前衛都市でありながら、一方で“汚れた街”現代ニューヨークを象徴するような事件だった・・・。

物語の端々にスカダーが新聞記事で、この街で起こる悲惨な事件の数々に溜息をついたり、アルコールの誘惑に負けそうになったり、また他の一癖も二癖もある登場人物たちとの味のある会話も含めて、行間からは深い虚無感と陰影に満ちたスカダー像がうかがえる。

本書は大都会の片隅で“仕事”をこなすスカダーの人間臭い魅力を描いたネオ・ハードボイルド小説であると共に、その<感傷>と<影>の部分を描いた一種の都市小説といえるかもしれない。
マット・スカダーの<感傷>と現代ニューヨークの<影> ★★★★☆
アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’94年度グランドマスター(巨匠)賞に輝いたローレンス・ブロックの、PWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)が主催するシェイマス賞の’83年度最優秀長編賞受賞作。本書は無免許の探偵<マット・スカダー>シリーズの5作目である。

スカダーは元警察官だったが、追跡中の犯罪者に向けて撃った銃弾の流れ弾がひとりの少女の命を奪ってからというもの、アルコールに溺れ、職も家族も失い、安ホテルに住みながら非公式の探偵業を営んでいる。今は断酒を誓い、AA(アルコール中毒者自主治療協会)の集会に顔を出す日々だ。

そんな彼の元にヒモと手を切りたいという女が依頼人として現れる。探し当てたヒモは意外にもあっさり了承するが、その直後、女がホテルで惨殺される。今度は容疑者となったヒモから真犯人探しを依頼されることになったスカダーは、ニューヨークの街をさまようかのように関係者を訪ね、調査を始めるのだが、新たな死が彼を待っていた。結果、新聞に載っていたある事件の記事を伏線として、終決に至るのだが、それはいかにも先進国社会の最前衛都市でありながら、一方で“汚れた街”現代ニューヨークを象徴するような事件だった・・・。

物語の端々にスカダーが新聞記事で、この街で起こる悲惨な事件の数々に溜息をついたり、アルコールの誘惑に負けそうになったり、また他の一癖も二癖もある登場人物たちとの味のある会話も含めて、行間からは深い虚無感と陰影に満ちたスカダー像がうかがえる。

本書は大都会の片隅で“仕事”をこなすスカダーの人間臭い魅力を描いたネオ・ハードボイルド小説であると共に、その<感傷>と<影>の部分を描いた一種の都市小説といえるかもしれない。
シリーズ最高傑作? ★★★★★
この作品を最高傑作とするレビューも多いがプロットや構成の点で考えればシリーズ中にはミステリーとしてより優れた作品があるように思われます。ただ初期の作品からスカダーにつき合ってきた読者にとってはこの作品は明らかなターニングポイントであり忘れ難い印象を残します。ラストでスカダーが自分がアルコール依存症である事を認めるシーンは何度読んでも胸に迫ります。
これより始めて。 ★★★★☆
 この作品だけでスカダーシリーズに惚れ込むのは難しいかもしれない。確かに少し長い。緊密というほどではないが、でも冗漫でもない。ラストは意外でも何でもない。そう来るのだろうなと予想し、期待した通りの落ち着き方をする。その着地も、まさに見事!というほどではないように感じる。でも、やっぱりいい。もう一つ読んでみようかな、そんな気になる。いろいろ調べて、だいたい、次は「聖なる酒場の挽歌」あたりに進むのか。・・・そして思う。ふむ、やっぱりいいかも。
 そして、子供じみたちゃちなトリックなど全然許してしまって、シリーズの初めから読みふけり始める。トリックも謎解きもどうでもいい。酔う。文章に酔い、会話に酔う。
 そして、「死者との誓い」「死者の長い列」へと続く傑作の連発にたどり着く頃には、「スカダーは文学だ。」という言葉に大きくうなずくようになる。
 そして、そこに至って改めて、「八百万・・・」が彼(スカダー)の原点だったなと気づく。そんな作品。
 だから、是非、ここでやめないで。ん?もう一つ読んでみるか。・・・そんな気持ちを信じてみて欲しい。
 スカダーシリーズは他の追随を許さない、人の生き様の深さを感じさせる傑作シリーズ。それを味わってみない手は無い。
間違いなく・・。 ★★★★★
マット・スカダーシリーズは常に新作を本屋でチェックする数少ないシリーズになっている。シリーズのどれをとってもレベルが高くニューヨークの現在を映す貴重な探偵小説だ。小説内容の構成力や各キャラクターの魅力が高く、ブロック特有の風景描写がすばらしい。まるで自分がニューヨークを旅行しているような気分にさせてくれる。それらのシリーズの中でやはり最高傑作といえるのが本書であろう。アル中探偵との呼び名はふさわしくないが、まだ過去の業と折り合いをつけられず酒を飲むマットの心の動きに、初めて読んだ時に共感を覚えた。そのあまりにも人間臭いキャラクターを読者は愛するのだろう。
コーヒーと煙草と酒とあちこち歩くことと人と話すことが好きな人は、探偵小説という枠を越えてこの本に魅了されるに違いない。